皆様、こんにちは。
本部・啓発普及部の長野です。
少々、日付が遡りますが1月30日に、神奈川県真鶴町で開催された
「魚付き保安林保全プロジェクト 御林調査経過報告会」に参加してきました。
真鶴町は、神奈川県の西部に位置する、
小田原から電車で15分ほどの自然豊かな半島の町です。
観光協会のHPをひらくと、最初に目に飛び込む文字は、
「ここは真鶴。森と魚と暮らす町。」
私の心を鷲掴みにするこのキャッチフレーズ。
真鶴町は、まさにこの言葉がピッタリの町なのです。
この町には、町民が愛してやまない森があります。
町民から「御林」(おはやし)と呼ばれるその森は、
「明暦の大火」で消失した江戸の町の再建資材調達のために
マツが植えられ誕生した森で、その後天皇家の御料林を経て今は町に払下げされ、県立自然公園として町民の憩いの場になっています。
また、海にせり出す半島に生きる森であることから豊かな漁場を育む森として「魚付き保安林」にも指定されており、漁師さんたちに大切にされている森でもあります。
しかし、害虫被害によるマツ枯れや倒木などが頻発するようになり、
今、様々な課題を抱えています。
そこで、この森を未来に引き継ぐために
町が中心になって立ち上げたのが、「魚つき保安林保全プロジェクト」です!
オイスカは、保全計画を策定するための調査活動に
協力をしており、8月から12月にかけて町民や企業などの支援者の方々と共に、
43箇所、933本の木に対して、種類や直径などの計測調査を行ってきました。
また、同時に過去と今の森の変化を調べるために、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会の 社会貢献基金助成を活用させていただき、過去の空中写真と現在の空中写真を、特殊なソフトを使って立体視して、時間に伴う森の推移を解析する調査、また今話題のドローンを飛ばして行う航空調査も、専門機関に委託して実施しました。
調査は来年以降も続いていきますが、今回は、その調査の進捗状況を町民の方々や調査ボランティアに参加された
方々に報告する会で、約70名の方々が町の施設に集まりました。
その報告の中では、過去の森の写真が立体的に見えるソフトを使った
航空写真調査の疑似体験の時間もあり、参加者はかわるがわる特殊なメガネをかけて
昔の森の様子が3Dのように見えることに驚いていました。
専門家からの「真鶴半島の御林は極めて貴重な森」という評価に、
町民の方々も益々保全への意気込みを強くされたようで、
質問などもバンバン飛び交い、
普段、放置され見放された山での活動が多い私にとっては、
町の方々がこんなにも地元の森に興味や誇りを持っていることに驚きました。
とにもかくにも、
直径、200㎝を超えるクスノキや140㎝を超えるクロマツの巨木の森
一度足を運んでみる価値ありです。
それから、真鶴町の魚(刺身・干物・海鮮丼)!
少しでも心が動いた方、
是非、来年の調査ボランティアに参加ください!!!
まだまだ調査活動は途中ですが、
引き続き、応援していきたいと思います。