2020年8月26日

未来に結ぶ白い糸 ~前半~

  • 本部スタッフ
  • はじめまして!
    インターン生の石川です。

    8月より始まった本部でのインターン活動は日々勉強になることばかりで、オイスカで行われている国際協力の歴史の深さを毎度実感しております。

    早速ですが皆さんはオイスカで行われているフィリピン・ネグロス地域を中心とした養蚕普及事業をご存知でしょうか?

    先日月刊オイスカの表紙写真を選別していると、フィリピンで撮影されたフォルダの中から綺麗なショールやスカーフの写真がぱっと目に飛び込んできました。

    織物の柄は機を織りながら1枚ずつ考えているそうです。
    織物の柄は機を織りながら1枚ずつ考えているそうです。

    フィリピンの伝統工芸かしら?と思い調べると、オイスカがフィリピンで行っている養蚕事業で作られたシルクの写真だったのです。その写真をきっかけに養蚕普及事業に興味を持ったので、皆さまに少し歴史をご紹介します!

     

    養蚕のはじまったフィリピン・ネグロス島はかつて長い間サトウキビ栽培に依存していましたが、1980年代、世界での砂糖価格暴落により一時期は“飢餓の島”とも呼ばれていました。養蚕に向いている環境だったことから、1995年より本格的に養蚕普及活動が開始されました。

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    涼しい気候で斜面が多いため畑作には適さない環境だったネグロス島

     

    しかし、養蚕の普及も一筋縄ではいかなかったようです。それまでは大地主制による日払いの給料でしたが、養蚕業を始めるとなると出荷して利益が出るまでに丸一年かかることになりますし、それぞれが農家として試行錯誤をくりかえす必要もあります。新しいことを始める不安も大きいでしょう。

     

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    不安を感じる現地の人を納得させるためには、信頼関係が大変重要であり、この事業の成功のカギも現地の人々との密なやり取りでした。苦楽をともにし、長い間現地の方に寄り添ったからこその変革だったのです。

    単なる制度上のやり取りではなく、人々との心の交流が必要なのですね。

    後編ではネグロス・シルクの活躍と未来を、インターン生の石川なりに考察したいと思います!

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