2022年2月15日

念願の「冬募金」 ~そのお礼と実施に至るまで~

  • 本部スタッフ
  • 東京本部Global Sustainability Mission 担当の吉田です。オイスカ全体の広報 と資金獲得を預かっております。少し長い文章でごめんなさい。

    私が職員になった1994年以降で、最も多くの方へのDMで呼びかけた初の取り組み、「冬募金」が終わりました。2021年12月のフィリピン台風被害復旧を含め、 「オイスカの活動全体に」と呼びかける募金は初めてでしたが、2月4日現在で 548件、10,018,925円と、多くの方に共感いただくことができました。改めて御礼申し上げます。

    思い起こすと、2007年にオイスカを退職して林業会社に勤務し、2009年に戻ってすぐ、他のNGOに資金獲得事情を聞いて回りました。そこでは、見ず知らずの私に、駆け引きなしにアドバイスくださることに驚き、彼らの自信と信念を感じたのを覚えています。資金獲得の仕事が敬遠される時代は終わったのかもしれないと思ったものです。そして、貿易会社からNGOに転職した女性の言葉がその後のヒントになりました。「このNGOに入って7年。自分たちの団体と接点があった人のDM用名簿を地道に作ってきました。DMをお送りして、リアクションがまったくない方については、いずれ送付を断念しなければなりません。それでも7年をかけて2万人の名簿になり、毎年12月にDMを出すと、使途が限定されない2,000万円の寄附を安定していただけるようになりました。どうしても必要な業務ながら資金を得にくいものがあります。この2,000万円は本当にありがたいお金です」と話してくれました。

    私はその後、海岸林再生プロジェクトを立ち上げました。2011年7月に海岸林シンポジウムを開催し、350人の名簿ができましたが、それではもちろん不足でした。そこで東京本部職員から名刺を預かり、10月に初めてDMで寄付を募り始めました。「できるだけ大勢から少しずつ」の精神で。同僚たちと10年かけて経験を積み重ね、募金総額は8億5000万円になりました。この経験から得たことは、DM とは資金獲得のためだけのものではなく、NGOの根幹にかかわる不可欠な業務と痛感していることです。DMには、広報啓発、情報公開、報告責任遂行の意味があると思っています。

    今回の冬募金では、オイスカ各部門への資金配分の指標にするために、使途希望先の記入欄を設けてみました。予想以上に多くの方がオイスカに任せてくれまし た。オイスカ研修生OB/OGにも並行して募金を呼び掛けましたが、同じ傾向でした。これまで、「海岸林のように使途を限定しないと寄附は集まらない」と言わ れ続けましたが、呼びかけ方次第で違う結果を生むことを証明出来ました。

    オイスカ60周年の年の締めくくりに、コロナ禍にへこたれず、部署を越え、拠点を越え、国も超えたチームプレーができたことは、オイスカの内なる成果です。 我々に共感してくれる新しい寄附者数を、チームプレーで確実に増せたことを何より喜びたいと思っています。オイスカには他のNGOにない絶対的な強みがいくつかあります。それを活かすカギはチームプレーです。そのチームの輪が大きく なるのに正比例して、オイスカの強みが発揮されるはずです。

    昨年末も、他のNGOも熱心に募金を進めていました。オイスカは完全に後発です。先に書いたように10年以上遅れていると思っています。「後発であっても、 この流れに参入しなければならない」と外部識者のアドバイスもありました。 2022年度以降、毎年夏・冬の2回、募金DMを行います。来年度のできるだけ早い段階で、DMを出せる人を10,000人にしたいと思います。まず当面の目標は+2,000人です。海岸林再生プロジェクト同様、目標必達精神で行きます。


    詳しくはこちらをご覧ください。
    HPニュース https://oisca.org/news/kaiganrinhonsuuchouseibatu/
    海岸林HPブログ http://oisca.org/kaiganrin/blog/

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