こんにちは、四国支部の池田です。年度替わりの主要な業務が一段落した5月21日(土)、数年ぶりに上京して
二つのシンポジウムに参加したので、二回に分けてレポートします。その一回目・・・。
先ず午前中は、JICA地球ひろばで開催された「森は海の恋人シンポジウム」に参加しました。
森は海の恋人(The forest is longing for the sea, the sea is longing for the forest)・・・、
今や自然環境を守る「あいことば」となり、国民的な運動としても知られる「漁師が森に木を植える」植樹運動で、
小中学校の教科書にも取り上げられているので、多くの人が知っていると思いますが、平成26年から三年間、
NPO森は海の恋人がJICAから委託を受けて、フィリピンのネグロス島で住民の環境意識の向上を目指した
プログラムや次世代を担う子どもたちに自然と共生することの大切さを伝える環境教育活動を実施しているため、
現地関係者も招聘しての事業報告会でした。
午後のシンポジウムに参加するため午前中の基調講演だけ参加しましたが、講師のお一人は、平成元年から
四半世紀余りに亘り先頭に立って、この運動に取り組んでいる畠山重篤さんでした。私が話しを聴くのは、
畠山さんが2012年に国連からフォレストヒーローズの一人に選出された受賞記念講演会以来でしたが、
非常に明快で力強く説得力ある内容の講演でした。同賞受賞後に、日本各地の様々な団体(漁業はじめ食品・
流通・行政・教育ほか)で講演する機会等を通じて確信されるようになった「小さなコトでも行動に移すことが大事」
「教育が大事」「日本の河川数は3万5千余りあるが、これら河川流域の自然環境が整えば水質が改善されて
海の力が蘇り、美味しくて安い魚介類が多く獲れ、米も食べるようになり第一次産業が盛んになる。
なぜ政治家は取組まないのか不思議でならない」等の主張は、パネラーの一人である安倍昭惠さん(総理夫人)
はじめ全員が熱心に耳を傾けていました。『伝道師』と呼ぶに相応しい畠山さんの語り口から、深い教養と言葉が持つ
重みを感じた貴重な機会でしたが、オイスカには平成26年に亡くなられた池田広志さんという大先輩が遺された
「植林とは、ただ木を植えるのではなく、人のやる気を植えなければ本当の森には育たない。だから、人の心に
気を植えることが大事なんだ。」という言葉があります。人の心に気を植える・・・、OISCA創立以来の半世紀以上に
亘って重きを置いて実践している社会に貢献する人づくり・地域づくり・国づくり、そして「FURUSATO」づくりを、
会員の皆様はじめ様々な方々と連携・協力しながら進めていくことの大切さを改めて感じた時間でした。
畠山さん、勇気とヤル気をいただいた篤い講演を有難うございました!