横浜在住のボランティアの鈴木昭です。
11月初旬の連休にオイスカの若手スタッフの方々や学生インターン達と一緒に東京都奥多摩町の隣に位置する山梨県の山村、丹波山村(たばやまむら)を訪問、「そば祭り」のお手伝いをして来ました。 この村も日本の他の多くの農村や山村と同じく少子高齢化が急激に進み、過疎化問題を抱えています。
オイスカは民間企業2社の支援を得て、数年前から同村と「ふるさとの再生」活動に取り組んでいます。(詳細はこちら)
文化の日の11月3日、村の活性化イベントの一つとして行われている「そば祭り」がコミュニティセンター広場で開催されました。普段は子供から大人まで含めた全部の住民が僅か600人ほどの非常に静かな村ですが、この日は近隣の東京都、埼玉県、千葉県などから不便な山道を2時間以上も車を運転して押しかけた大勢の観光客で大変な賑わいでした。
朝早くオイスカの関係者がそば作りの準備を手伝おうと広場に駆けつけたところ、今年村で収穫されたそばを味わおうと既に20人近くの人達が行列を作って待っていたのにはビックリしました。
先ずインターンの諸君とビニール袋に入ったそば粉の塊を足で踏みつけて伸ばす作業を行いました。これが意外と重労働で3、4個踏みつけると足がガクガクとなります。伸ばしたそば粉は、村のおばあさん達が慣れた手付きでそばを打ちます。
オイスカの女性スタッフ達も作業に加わり、次々とそばが作られていきます。 釜で茹でたそばにつゆ、刻みネギとワサビを加えて待っているお客様に出しますが、注文がとても多く間に合わず、長い時間待ってもらうことになりました。
結局、昼過ぎには準備したそば粉が全部なくなり、400杯で売り切れとなりました。1杯100円ですから全部で4万円の収益です。お手伝いの後で1杯ご馳走になりましたが、非常にこしが強く、美味しいそばです。
これは、村の観光振興で大きな魅力になると思いました。 村は、周りを険しい山々に囲まれ、都内からの交通の便は決して良くありませんが、水がきれいな多摩川の上流が流れ、「のめこい湯」と名付けられた天然温泉が湧き、そばの他に大根、ネギ、じゃがいも、わさび等の新鮮な野菜もあり、自然環境がとても豊かな郷です。
過密な都会で毎日忙しく仕事に追いまくられて、ストレスを感じるより、丹波山村のような「ふるさと」でのんびり暮らす方が精神的にゆとりのある幸福な生活をおくることが出来るのではないかとの思いを強くしながら帰って来ました。