2017年9月8日

ミャンマー滞在記3

  • 海外スタッフ
  • ミャンマーで活動中の大学生、長谷川南さんのミャンマー滞在記の続きです。

    2017年6月25日

     なにかとやっていたら、いつの間にか6月も終わりに近づいてしまいました。
    日本では梅雨の頃でしょうか。ミャンマーでは3月から6月が一番暑いそうで、日本とは異なる乾燥した暑さに体が悲鳴をあげています。
    全身、顔まで汗疹でいっぱいです。そんな中での農作業は骨が折れますが、作業後のマンゴーは本当においしいですよ。
     さて、今回は前回のレポートで伝えられなかった水掛祭りについて紹介しようとおもっていたのですが、記憶が古くなってきて近況報告にならないのでやめます(笑)。
      そのかわりに、最近の農作業以外の仕事を紹介します。

    DSCN4119私が活動しているセンターでは有機農業に関わることだけでなく、日本の政府や国連(世界食糧計画)からのプロジェクトを受け、実行する役目も担っています。こうしたプロジェクトを受けることでセンターの資金に余裕が出るというNGOならではの事情があることも分かってきました。
    それはさておき、このセンターでは創立20年という長い歴史のなかで様々なプロジェクトを実行してきました。私が知るだけでも、道路の改修、水路の改修、池づくり、学校建設、トイレの建設、ホームガーデン、畜産の指導など、その活動範囲は多岐にわたります。以前の私なら、どこでもやっていそうなこれらの活動がどこまで現地の人たちの役にたっているのか、漠然とした想像しかありませんでした。
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     たとえば、『道路の改修』と聞いたら、「道がガタガタで交通の便が悪いのだろう」というところまでが想像の限度ではないでしょうか。しかし、そこには環境的背景があり、人々の生活に大きな影響を与えています。センター付近の地域の東側は川に面しており、毎年北部で降った雨が流れ、川は氾濫し東の村は3ヵ月間以上水に浸かります。その間、村の人々は他の村へ避難したり、家の2 階に寝泊まりしボートで移動したりもします。子供たちはなかなか定期的に学校に通うこともできません。道路は少し高く作られてはいますが、不十分なところがほとんどです。そして、水が引いたあとも泥だけが残り、車は通るたびにスリップしてなかなか通れません。それでは、食べ物を買いに行くことも、病院へ行くこともできません。他にもたくさんの問題がありますが、ここまで聞かなければ、その重要性は伝わらないでしょう。最近、ミャンマーに住む日本人向けにセンターのパンフレットを作らせてもらったのですが、パンフレットでは伝えきれないことばかりでした。

    現地にきて、村に足を運び、村に住む人々の話を聞き、彼らの生活にどれだけ重要で、緊急を要するものか。それから、どのプロジェクトも一方的に上から押しつけられてやっている訳でなく、村の人々の話しや希望をきいてプロジェクトをつくり、プロジェクト元と、村、センターの3者が協力してはじめて成立すること。私の勉強不足なところもありますが、本当に来てみないと分からことばかりだと実感しています。

    6_25_1さて、今回のアンケートは『これ、何に似ていますか?』です。丸、正方形、正三角形の三つの形をみせて何に例えるかを調べるものです。約25人に質問しました。今回はセンターの人と1つの村の人に聞いてみました。
    回答結果は、『丸』に関しては「地球」4人、「太陽」「ボール」3人、が多かったです。
    『正四角形』は、「机」「本」4人、「田んぼ」3人。そのほかは、「ござ」や「ケーキ」がありました。
    『正三角形』は、「サモサ(ミャンマーの春巻きのような食べ物)」6人、「山」4人、「おかし」3人。そのほかは「お寺」、「竹の帽子」などがありました。
    意外な回答は、『丸』に「月」が少なかったことです。ミャンマーでは太陰暦を基準にしているため、満月には様々な記念日があります。そのため、回答に少なかったのは、少し意外だと感じましたが、ミャンマー人に聞いてみたら「月は満ちかけがあるから」という冷静な回答がかえってきました。そして、アンケートをした村の人たちはお菓子職人が多い村だったため、「ケーキ」や「お菓子」という回答が目立ち、センターの人は「田んぼ」や「本」などの回答が多かったです。やはり、自分の身近なものに当てはめる傾向があると考えます。日本人は、どうでしょうか。『正三角形』は「おにぎり」がダントツ一番だとおもいます。

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    村の人に生活状況などを調査している様子。
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