2021年11月8日

インドネシアのマングローブ

  • 本部スタッフ
  • 海外事業部の森田です。

    昔のことで恐縮ですが、1999年、東京海上火災保険会社(当時)の創立120周年記念のご支援で始まるマングローブ植林プロジェクトの事前調査にインドネシアへ2か月ほど出張しました。

    まだ駆け出しの私には何の知識も技術もなく、同行した現地スタッフのスワントさんの為すがまま、くっついて歩いているしかなかったのですが、そんな中でも様々な発見があったことを、当時の自分が書いた報告書を見返しながら思い出しました。

    ジャワ島北岸の4か所と南岸の1か所を視察して、その中から適地3か所に絞るというのがミッションだったのですが、漁師がこの樹種を好まないとか、潮の流れが速いから苗が定着しないとか、今思うと生意気に分かったようなことを書いていましたが、その時の経験が今に生きていると、ここのところのマングローブ関連のブログや情報を見ると痛切に感じます。

    とにかく何度も同じ村を訪問して、時間をかけてそこに住む人の声に耳を傾け、どのような不具合があるのか、他の支援が入っていないか、政府の出先や自治体の関係者は好意的か、様々なことをこれでもかとチェックしまくり、ようやく一日が終わるという毎日を繰り返し、薄暗い宿で水浴びをして・・などなど何年たっても鮮明に思い起こされます。

    日常生活への脅威が身近に迫っているところも多く、何とかこのプロジェクトを通じてそこに生きる人たちの力になれればと考えていましたが、現在に続く事業の中で成果が上がりつつあることに、少し離れたところから進捗を確認し、安堵していたりします。ひとえに現場で忍耐強く活動を続けていただいている皆さん、そして20年以上プロジェクトを支援いただいているドナーさんのご尽力のたまものだと感謝の念に堪えません。20年近く経った当時からのプロジェクトサイトの現在を写真で見るにつけ、あの頃を思い出します。

    延々と続く養殖池と危機にさらされる背後の村

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