四国支部の廣野です。
オイスカの歴史について詳しく知りたいと思っていたら、
「道を拓いた人々-オイスカ開発の歩み-」を勧められました。
まず、このような貴重な活動内容が記録に残っていることに、感謝したいと思います。
中身はインタビュー方式になっており、オイスカ初心者には当時のことがイメージしやすく
読みやすい本でした。
特に印象に残ったのは、オイスカ国際協力の最初の地であるインド側が「受け入れ待った」を
かけていたのに「行ってしまった」開発団員の話で、嘘のような本当の話が沢山あり衝撃的でした。
個人的になりますが、新潟出身の私としては、開発団員の中で、長野県や富山県など隣の県で
オイスカ初期から活躍されている尊敬すべき方たちがいることに驚き、親近感を覚えました。
読み進めていくと、現在のほうが情報網や交通事情が発達し、人の行き来も自由になっているように
見えますが、実際は制約の中で動かなければならないことが多くなっているのかなあ、と素人目ですが
そんな感想を持ちました。
また、亀山近幸氏の寄稿では(フィリピンでのお話)「昔来た日本人とは殺し合ったけど、
今度の日本人は農業を教えに来てくれた」という箇所があります。
インドの衝撃的な話しから一変、少し重たい内容ながら、お互いの心の動きがわかりやすく
書かれていました。亀山氏の心境の変化などは、国際協力に取り組む多くの人たちが
感じるであろう葛藤への励ましのようにもとれる内容でした。
現在多く存在するNGOですが、日本でNGOという言葉もない時代からオイスカでは、
「国籍、民族、言語、宗教、文化の違いを乗り越えて共存し、地球上のあらゆる生命の基盤を守り、
育てようとする世界を理想とする」という理念のもと活動を展開しています。
他のNGOと何が違うのか、何がいいのか、国際協力にも差別化が求められる今、オイスカで活躍した
素晴らしい先輩方の想いを多くの人に知って欲しい、そう改めて思いました。