ネグロスシルク事業を基盤とする養蚕普及全国展開支援事業【N連】

ネグロスシルク事業を全国へ

期間:2019年1月~3年間(予定)

 ネグロス島、西ネグロス州政府との協力のもと、1995年から本格的に開始した養蚕普及活動はこれまで地道な活動を経てフィリピン国内で生産される生糸の90%を占めるまでの成果を上げています。この実績を高く評価した政府関係機関の農業省所管繊維開発局(FIDA)、科学技術省所管繊維研究所(PTRI)、貿易産業省(DTI)は全国普及拡大に向けてオイスカに対して協力要請してきました。それを受けて2019年より外務省NGO連携無償資金協力による「ネグロスシルク事業を基盤とする養蚕普及全国展開支援」事業を3年計画で展開しています。

 対象地域をルソン島のベンゲット州、ヌエバビスカヤ州、パナイ島のイロイロ州、アクラン州、アンティケ州、ミンダナオ島の東ミサミス州として、ネグロス島バゴ研修センターにおける①養蚕振興リーダー育成のためのセミナー、②モデル農家育成のための技術研修、そして ③専門家派遣による各州での農民に対するセミナー及び実施指導、④各州代表者による訪日研修、さらに初年次では ⑤繰糸機械の導入による製糸機械の整備等を行うなど、主な活動としています。

 研修を終えた農家が養蚕を始め、2年次には更なる事業拡大が期待されたかに思われましたが、予期しない新型コロナ感染症拡大の影響を受けて州を跨いでの移動が制限される事態となり、1年を通じて多くの活動が自粛せざるを得ない状況となりました。当初の計画からはやや遅れぎみの当事業ですが、コロナ感染症が1日も早い収束し、2年次に達成できなかった目標を挽回すべく、各政府機関及び州政府関係者との綿密な連携のもと養蚕農家の増大を図り繭増産による良質の生糸生産を目指します。