マングローブ植林プロジェクト(フィジー)

場所
ヴィチレブ島・ナンドロガナボサ県、ラ県など
活動開始年
1993年
受入機関
青年スポーツ省、第1次産業省等

失われたマングローブをよみがえらせよう
住民の声により活動開始

 フィジー諸島共和国は、その名の通り小さな島々からなる国です。よってバングラデシュのような広大なマングローブ林が生育する場所はありません。しかし、海岸沿いにわずかに育つマングローブは海岸を波浪から守り、川からの土砂を吸収し、海のサンゴに土砂がかぶるのを防ぐなど重要な役目を担っていました。1990年代初頭、ヴィチレブ島南西部沿岸では、かつて存在した多くのマングローブが無くなっていました。これを憂えた住民の声を受け、1993年よりオイスカが植林を開始しました。

積極的な住民参加のもと、維持管理を継続

 現在の活動は同国最大の島、ヴィチレブ島南西部コーラルコースト沿い、西部Lautoka近辺の沿岸、そして北東部ラ県の沿岸において植林並びにその維持管理を行っています。実施にあたっては村長以下住民皆の合意のもと、住民参加型での植林、管理を心がけています。植林後数年もすれば魚介類の収穫が顕著に増えてくることもあり、住民は積極的に維持管理に取り組んでいます。

近況・今後の方針

 ヴィチレブ島北東部ラ県は、アクセスも悪く孤立した漁村が点在していました。しかし2004年から、東京海上日動火災保険の支援を得てマングローブ植林を進めた結果、漁獲高は大幅にあがり、マングローブ植林への参加を通じて、自分たちのふるさとを良くしていこうとする動きが出てきています。
また同島西部では、オイスカの現地NGOであるOFETAが自助努力で、国連機関の資金(Global Environmental Facility)の支援を得てマングローブ植林活動を進めています。
コーラルコーストでは観光開発によって多くのマングローブが失われていますが、Korotogo沿岸ではオイスカが植林したマングローブが育ち、今では種子の採取も可能になっています。今後、この地を中心に沿岸での再生活動を継続していきます。