貧困削減が最大の課題となっていたバングラデシュ。オイスカは農村開発を第一に捉え、そのためのリーダーとなり得る農村青年の育成こそが最重要であるとして、首都ダッカ近郊のサバールに研修センターを設立しました。
　
　全国の応募者の中から選考された若い農業後継者たちが、無農薬有機農法による稲作や野菜栽培、また養鶏、養漁、そして農業機械の操作や修理技術といった多分野にわたる研修に、スタッフや仲間たちと寝食を共にしながら熱心に励んでいます。

　かつてはダッカ郊外ののどかな農村部の一角に立っていた研修センター。しかし、現在では都市化の波が押し寄せ、周辺に縫製工場などが立ち並ぶ軽工業地帯と様変わりしました。こうした時代の変遷もあり、農業研修を希望する若者は年々少なくなってきています。また、2020年からバングラデシュでもコロナ禍となり厳しい移動制限がたびたび敷かれています。寄宿舎形式の研修センターでの研修も難しくなり、現在は若いスタッフが中心となり農場の維持管理を行っています。コロナ終息後をにらんで研修センターの新たな方向性を探る時期に来ています。