アホイ植林プロジェクト

場所
パナイ島イロイロ州
活動開始年
1993年4月
受入機関
アホイ町役場、OISCA Iloilo

地元役場などと協働し、はげ山への植林を開始

 プロジェクト地であるイロイロ州・アホイ町の地名「アホイ」は、地元の言葉で木を表わす言葉「カホイ」に由来を持っているほど、かつては豊かな天然林で覆われていました。しかし、森が姿を消し、一時はその面影をほとんど見ることができないほどとなり、乾季には町の住民の飲み水にも困るようになりました。そこでオイスカと、地元アホイ町水利局、アホイ町役場との協働プロジェクトとして、日本の実業家梅田登氏の支援と指導により、はげ山と化した水源地への植林が開始されました。

災害に強い森づくりへ

 マホガニーとアカシアマンギュウムという樹種を中心に植栽を進め、地道な管理作業もあり、現在約1,000haの森となっています。しかし、年々フィリピンに襲来する台風が大型化し、植林地の木々がなぎ倒される事例が頻発。これを受けて、風に強い在来種のティポロ(Artocarpus blancoi)の植栽へと方向転換を図りました。
 
 2013年11月、スーパー台風ヨランダがアホイを含むフィリピン中部を襲い、各地で多くの犠牲者と、家屋などへの壊滅的な被害をもたらしました。アホイの植林地も、見張りタワーがねじ曲がって倒壊し、植林したアカシアマンギュウムのほとんどが枯れてしまいました。この木は枝が大きく水平に広がる傾向があり、突風でその枝々が激しく擦れ合った結果枯死してしまったのです。
 
 一方、風に強いティポロとマホガニーは被害を免れました。この被害の教訓を胸に、外務省NGO連携無償資金協力の支援を得て、2016年より復興支援としてティポロなど風に強い在来種を中心に再植林を開始。2018年にはほとんどの箇所が復旧し、台風に強い森が生まれました。また、見張りタワーもより頑丈なものが建て直されています。

近況・今後の方針

 2021年現在、OISCA Iloilo会長で、アホイ町長でもあるDr.Jett C. Rojas (ジェット・ロハス氏)が、水源林の維持に町を挙げて積極的に取り組んでいます。また、水源林から外れた森では、長年支援していただいているメディア・リンクスのご協力により「”ふるさとの森”プロジェクト」として、村の人々に愛される果樹なども植える里山づくりを行っています。