2022年1月14日

内モンゴル砂漠緑化 進捗状況をお伝えします!

  • 海外スタッフ
  • こんにちは、海外事業部の長です。
    内モンゴルでの砂漠緑化の話をさせていただきます。

    緑の募金、CDKさま、ユニオン印刷さまはじめ、多くの方々からご寄附をいただき、昨年夏から砂漠の木ソウソウの植林と合わせて新型コロナ肺炎の症状緩和などに効果のある薬草栽培を通じての緑化をスタートしました。ここではその進捗状況をお伝えします。

    灌木林で今回の主な植林樹種であるソウソウ(Haloxylon spp.)に関しては、植栽時期が3月末から4月初めであるため、まだ実施できていませんが、もう一つの活動である、新型コロナウィルス感染症(肺炎)の症状緩和効果のある薬草の苗畑の造成を行っています。 栽培しているのは沙蒿(サコウ/アルテミシア)、甘草(カンゾウ)、射干(ヒオウギ)、麻黄(マオウ)の4種です。次年度以降栽培農家へ種子を無償提供できる体制を作るためにオイスカ研修研究センターの敷地内で栽培しています。
    栽培はどれも容易で、薬としての価値が非常に高いにもかかわらず、甘草以外は一般の人々には周知されていません。本プロジェクトでの栽培を通じて、この薬草栽培が収入向上につながること、その旺盛な生存力が砂漠緑化に有効なことを理解してもらえたらと思っています。

    新型コロナウィルスによる肺炎症状を緩和するジュース(現地では健康食品の位置づけなのでライセンス無くとも作成可能です)を作りたいと思っているのですが、コロナ禍の影響でなかなか日本からの出張がかなわず、これまでリモートでスタッフとやりとりをしながら栽培している状況です。 メインのソウソウの植林時期にあたる春までには冨樫専門家が出張し薬草栽培の状況確認、そしてソウソウの植林を行えればと思います。
    以下、植えている代表的な薬草の中から2つを例にとり、それらの栽培状況について簡単に報告します。

    ■沙蒿(サコウ/アルテミシア)学名:Artemisia desertorum

    非常によく育っています。種からでも育ちます。ヨモギと同じ属でパイオニア植物として砂地に蒔けば灌水をしなくても天水のみで自然に増えてきます。日本でも荒地に真っ先に生えてくるヨモギと同じ性質ですが、沙漠のものはさらに強いだけでなくアルテミシニンの含量も多く、マラリアやコロナの民間薬として普及する可能性が一番高い植物です。ご覧の通り成長が早く、あっという間に地面を覆い尽くし始めました。砂漠緑化の効果の高い草でもあります。

    ■甘草(ウラル種) 学名:Glycyrrhiza uralensis

    甘草(カンゾウ)は、初期に多少の灌水が必要ですが、一旦根が生えると、急速に育ちます。3年から4年で収穫できます。ここから採れるグリチルリチン酸は、漢方薬だけでなく、お菓子などにも使われている身近な薬草です。

    良く知られている薬草なので、砂漠に住む人々にも栽培が定着することを狙って今回試験栽培をしています。まだ少ししか生えていませんが、着実に大きく育ってくれると思います。

    この投稿へのトラックバック:

    アーカイブ