2021年5月19日

ラバウルでの呪術の思い出 1

  • 海外スタッフ
  • 広報室倉本です。

    パプアニューギニア駐在代表の荏原さんによる新作ブログが届きました。

    巷では「呪術廻戦」なるアニメが流行っているそうです。
    そんなことが影響しているのかいないのか分かりませんが……今回は、少し怪しげなラバウルのとある呪術に関する内容です。

    普段の業務ではなかなか聞けない、駐在員による現地での不思議な体験談です。

     


     

     

    呪術と聞くと、皆さんは“嘘“とは言わなくても“本当???”と思うでしょうか。日本人は科学で証明されないことは真実ではない、と考える人が増えているようです。
    でも私は開発途上国に40年近く住んできた経験から、“呪術はある”と確信しています。

     

    私が結婚する前でしたから1998年頃に起こった出来事です。

    オイスカラバウル研修センターの研修生ネイタン君(南ハイランド州出身、ハイランド地区出身でオイスカの研修生になった第1号の青年、その後西日本研修センターでお世話になりました)が、呪術にかかったとして、終日熱を出してうなされていました。

    その夜11時頃、彼を看ていた現地スタッフと研修生数人と一緒にネイタン君が研修センターの敷地内にある所長宅にやってきました。

    「センセイ、センセイ、コンバンハ!」と呼び出されて外に出てみると、そのネイタン君がまるで縄跳びをしているかのようにピョンピョン跳ねているのです。連れの研修生たちに「どうしたの?」と聞いたら、「寒くて寒くてしょうがないので少しでも体を温めようとしてジャンプしています」との返事。「何か自分にして欲しい事があるの」?と聞いたら「熱いお湯を下さい」と言うので、ガスでお湯を沸かしてコーヒーカップに入れてネイタン君に渡しました。既に数分ジャンプをし続けていたにもかかわらず、息切れ無し! そして熱いお湯が入ったカップを両手で持ち、手を温め、フーフーしながらゆっくり飲むのだろうと思っていていたら、何とまるで水を飲むようにゴクゴクと飲み干したのです! 「もう一杯」と言うのであげたら同じように一気に飲んでしまいました。他のスタッフと研修生たちは、全然驚く様子がないのにも驚きました。

    熱湯を一気に飲んだら、口の中やのど、そして胃も焼けてしまうはずです。しかし、何の害も無く「これで少し気分が良くなりました、アリガトウ」と言ってセンター敷地内の男子寮に戻っていきました。

     

    現地には呪術を掛ける人がいれば、それを治す人がいます。呪術を治す人は、現地の言葉で“ブッシュドクター(日本語にすると藪医者……笑)”と呼ばれ、村人からは頼りにされています。

    ネイタン君の呪術も、とあるブッシュドクターにより取り除かれました。次回はその様子をご報告します。

     

    この投稿へのトラックバック:

    アーカイブ