2021年3月18日

ウドゥウド(udoud)‐小さくても貴重な石のお金(パラオ共和国)

  • 海外スタッフ
  • 広報室倉本です。

    毎度ご好評の声をいただく、パプアニューギニア駐在代表の荏原さんによるブログ続編です。
    今回は、パラオの“石のお金”について。
    写真が用意できなかったのですが、本文を読んで気になった方は、ぜひ「パラオ ウドウド」、もしくは「ウドゥウド」と検索してみてください。

     

    これまでのブログ

    ラバウルで使われている貝のお金(タブ‐Tabu)その1

    ラバウルで使われている貝のお金(タブ‐Tabu)その2

    ラバウルで使われている貝のお金(タブ‐Tabu)その3

    “デンデンムシムシカタツムリ お前の頭は何処にある ツノ出せやり出せ頭出せ!“

     

    以下、荏原さん


     

    世界に2万人程度しかいないパラオ人ですが、彼らには石のお金(ウドゥウド)があります。

    日本では、ミクロネシアにあるヤップ島(現ミクロネシア連邦)の大きな石貨が有名ですが、パラオの石貨は人の指程度の大きさで、結婚や出産のような特別な時、女性が首に掛けるもので、“一族の宝“になっています。

    ウドゥウドはいくつもの種類がありますが、一番高価な種類のグループには人に名前があるように、一つひとつに名前がついています。そして、現金がなくてもこれで土地や家が買えます。

    更に面白い事に、誰がどの高価なウドゥウドを所有しているのか、公表されなくてもハイランクの階級のパラオ人の間では知られている、という事でした。あるウドゥウドはダイヤモンドのように硬い(と聞きました)のですが、石を横断する形で直径5㎜程度の穴が大きいウドゥウドでは8㎝位の長さで貫通しています。

    少なくとも百年以上前、道具も無い時代にどのようにして石に穴を開けたのか、興味が膨らみます。このウドゥウドを首に掛けて町を歩くパラオ女性には気品があるように見えました。

     

    また、私がパラオにいた1980~1990年当時、アイミリーキ州のモンガミ村にあったミツルさんというオイスカメンバーの方が所有する古い大きな家を思い出しました。その家の床は鉄木の板で作られていました。隙間なく綺麗に敷き詰められていて感嘆しました。黒くて鉄のように硬い鉄木です。

    どうやって製材したのでしょう?ピラミッドに使った巨大な石、マヤ文明が栄えた時建てられた壮大な神殿等々、古代人が大きなものをどうやって?と不思議に思うものですが、パラオのウドゥウドのように小さなものを加工した昔の人の技術にも興味を惹かれます。


     

    PICT0177

    今回のブログ用にパラオの写真を探していたところ、見つけた一枚。オイスカは1981年、パラオに初の農業開発技術員3名を派遣。翌年、西日本地域の会員からの多くのご支援により、研修センターを設立しています(現在は現地に移管されています)。意欲ある青年たちの、ピシッとした”気をつけ”の姿勢が印象的です【倉本】

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