本部・広報室の林です。
先週、西日本研修センターの研修生たちが帰国前に本部事務所に滞在していました。 昨年4月に入稿した時には全く日本語が話せなかった研修生も今は自国の農業事情なども日本語で説明ができるようになっていました。
彼らが滞在中、小会議室は食堂に変身。
センターの広い食堂のような快適さもないし、おいしいご飯を作ってくれる専門のスタッフもここにはいません。質素な食事ながら、みんな感謝していただきました。
この日、ミャンマーのMさんが焼きそばを作ってくれている間、男性研修生たちが廊下に集まって何やら騒いでいました。 後ろから覗いてみると、国旗一覧をみて「こんな国旗は初めて見た」「カナダと日本と自分の国の 国旗しか分からない」などとわいわいわいわい・・・・・・。何がそんなに楽しいのかと思うほど。
あとわずかな時間しか一緒にいられないさみしさを紛らすために 他愛のない話で盛り上がっていたのかもしれません。
パプアニューギニア、フィリピン、モンゴル、チベット、ミャンマー、マレーシア、フィジー、インドネシア。
自国にいたら出会うことのなかっただろう仲間たちと研修を通じて友情を育んできた彼らが日本滞在最終日の晩、車座になって話をしている輪に入れてもらいました。
「4月に日本に来て、生活に慣れた6月ぐらいからは家に帰りたいとか家族と会いたいとか思ったことがなかったのに、1月にホームステイをしたとき、センターに帰りたい、研修生たちに会いたいって毎日泣いてました」
「日本に来た時の自分と今の自分は本当に違います。来た時は自分のために勉強したいと思っていましたが、今は誰かのためにと思っています。国の若い人たちに教えるために頑張ると、自分のためにやるよりもっと力がでました」
「先生たち、みんな大好きだけど、一番大好きなのはH先生。教え方もとてもすごい。 私は国に帰ったらH先生みたいな先生になりたい」
「先生、あの時私は本当に悪かった。ごめんなさい。先生が本当に怒りましたね。 先生、本当にすみませんでした。ごめんなさい」
「日本の文化は本当に素晴らしい。私の国はイギリスが来て、国の文化はダメになった。でも日本の文化は本当に安定していて古くから変わらなくてうらやましい」
「所長は世界一の所長。いつも私たちと一緒に掃除します。いつも私たちと一緒に片付けます。 何でも私たちと一緒にしてくれました」
「国に帰ったらできるだけ頑張りますじゃなくて、できるまで頑張ります」 「日本語ができるようになりました。もちろん私は頑張りましたが、でもすごいのは 日本語の先生です。先生のおかげで本当によく分かるようになりました」
「私は国にいる時、オイスカのセンターに4年間ぐらいいました。私は本当に頑張っていました。 でも、日本に来たら私は頑張っていなかったと思った。先生たちは本当にいつも頑張っています。 私はまだまだだと思うし、私の国のセンター職員は、西日本研修センターの先生たちのような 頑張り方は絶対にできないと思う。本当にすごいと思っています」
彼らと一緒に過ごしたわけじゃない私ですが、ずっと涙がこぼれそうになるのを我慢していました。 指導員である先生方、国籍も宗教も違う仲間たちと本当に強く結びついていることが感じられたからでしょうか。
巣立っていった彼らがそれぞれのふるさとで活躍してくれることを期待しています。