本部・啓発普及部の吉田です。
細々と学校林も担当して10年以上になりました。
平成15年に手掛けた八王子市立浅川中学校の学校林(学校に隣接1.8ha)を5年ぶりに訪問しました。
新規学校林整備を検討している八王子市立由木西小学校(隣接1.4ha)と、平成18年に整備し10年目の整備を検討している相模原市立広陵小学校(隣接0.7ha)は、それぞれ20分圏内ですから、1日でまとめて回ることができます。
授業で生徒と一緒に作ったムササビ用のデカい巣箱にちゃんとムササビが入っているというのは、学校HPで知ってましたが、東京都森林組合の当時の専務理事や、元同僚のK君と打ち込んだあの森がどうなっているか、自分の目で確かめようと、ワクワクしました。
校門すぐの掲示板、学校便りの横に、「栗山」と題した紙が貼ってあり、はるか昔、全員で修学旅行に行くために栗を植え、その実を売った収益を活用した歴史や、現パナソニック㈱の資金的支援の下、森林組合とオイスカが協力して再整備したことも記載されていました。普通、そういうことは記載もしてもらえないので第一の驚き。
当時は、入る余地がないほど篠竹や笹、雑木が茂り、栗は老木になり、ほとんど実が入らない。 それを呆れるほど大胆に除伐、伐採しました。整備するというのはこういう豪胆さが必要なんだと惚れ惚れし、林業の魅力に取りつかれた整備でした。
ここは西の植生と、東の植生がぶつかる高尾山の麓。 「林床に光が入れば、抜群に植生が増え、豊かな森になる」と森林組合のN専務が言っていた通り。 環境省や森林総合研究所も注目し、その後の調査で400種類の植生が確認されました。
そして11年たった今も、学校と地域住民、地元NPOのご努力があるのです。 同行したオイスカ緑化技術参事の清藤先生も「楽しくなる、いい森だね~」と言ってくださいました。
植えた栗は高さ5m近く成長し、生徒が歩いている証拠に散策路はしっかりしており、今も活用し、手入れしている痕跡がたくさんありました。
むかし伐った山は、いつまでたっても気になるものです。 学校林であれば学校教育で活用されているか、心配で仕方ありません。
こうしてホッとした時、オイスカ職員冥利を感じます。