本部・国際協力部の中村ゆかりです。
オイスカ・インドネシア中垣豊駐在代表よりレポートと写真が送られてきました。 研修生OBの奮闘の様子を皆さまと共有したく、お知らせします。 ここより中垣駐在代表からの手紙。 ↓ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ソロン県はインドネシアの西パプア州(以前の西イリアンジャヤ州)の北西岸に位置しています。 ソロン県には以前、中部日本研修センターのOBであるラザルス氏を中心とした研修センターがあり、研修業務や「子供の森」計画を細々と行なっていたのですが、そのうちまったく便りを聞かなくなっていました。 しかし今年の4月下旬に突然、ラザルス氏がインドネシアOB会研修センターを訪ねてきました。
話を聞くと、「以前の研修センターは、土地を所有者に返還せざるを得なくなり、しばらく活動を休止していたが、県からオイスカの研修センターを復活させて欲しいとの要請があった。旧ソロン研修センターのOBの中には県議会議員もいる。彼らの力も借りながらこれから活動を復活させていきたい」とのことでした。
10月初旬、インドネシアOB会研修センターの第30期研修に参加すべくオイスカ・ソロンより推薦を受けた3名の研修生を伴いラザルス氏が現地の活動報告書を持って再び訪れました。
その際に、再び現地の様子を聞いてみたところ、 「知人の子どもたちを研修生として集めて、とにかく研修を始めることにした。同用地は森なので、森を拓くことから始めねばならず、研修生たちと苦労してようやく2ヘクタールの水田を造成した。センター用地の開拓と同時進行で、支局会長の自宅横に水田のデモンストレーション農場を作り、周辺住民にも稲作を紹介したが、これからはセンター用地での活動に集中していくことになる。ただ、センター用地には全く建物がないため、研修生を寝泊まりさせることができない。彼らは現在、センター用地の近くの親類の家に寝泊まりし、そこから毎日通ってきている」と話していました。
活動としては、しばらくは水田に力を入れたいとのこと。 西パプア州でも当然稲作はあるのですが、それは主にジャワ島から移り住んだジャワ人がやっているだけで、現地にもともといる住民は、お米の作り方を知らないそうです。 移住者たちは通常、政府から土地や生活費などの支援を受けていることもあり、経済的に成功する者が多く、国内の他の島(スマトラやカリマンタン)でも移住者と原住民の経済格差に端を発する衝突が散発しております。
また、中央政府の支配に反対する勢力がおり、独立運動が長期間に渡って続いています。 地域住民に稲作を教え、彼らが経済的恩恵を受けることができるようになれば、こうした独立運動は下火になり、インドネシア国内のみならず、東南アジア地域の安定に寄与することが期待できます。そういう意味でも彼らがやろうとしていることは、大変価値ある活動になる可能性を秘めていると言えるでしょう。
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写真を見てびっくり。本当にジャングルなのですね。 田んぼを切り開くのも大変な苦労だったことでしょう。 今すぐ飛んでいって作業を手伝いたいような気持ちになりました。 今後は、かつてのソロン研修センターOBと共に活動を進めていく予定で、 そのほか、現在3名の研修生がインドネシアOB会研修センターで学んでいます。 彼らも研修終了後にはソロン県に戻り、活動の大きな力になってくれるでしょう。
続報が届き次第お知らせしますので、どうぞお楽しみに。