チェンライ県の山岳地帯の貧困層を中心とした対象地域における森林保全・再生と生計向上プロジェクト【N連】
貧困を断ち切る! 森づくりとともに生計向上プロジェクトに取り組む
期間:2016年6月~3年間(N連終了)
本事業はタイ王国北部のチェンライ県にある3つの村を対象に、2016年6月21日より3年間、森林保全と住民の啓発・生計向上を目的として、外務省の日本NGO連携無償資金協力により実施したプロジェクトです。
タイは経済面で発展を見せる一方、山岳地域などでは森林の農地化や狩猟、木材利用などのための無計画な伐採が進んでいます。はげ山となり水源林としての機能が失われた土地では、土壌の劣化や水不足をはじめ、土砂崩れや洪水などの災害や生態系の破壊が深刻化しています。
また、事業を実施したチェンライ県の3村は収入の少ない貧困地域にあり、農作物の単一栽培(モノカルチャー)が行われ、著しい森林破壊と焼畑による煙害被害が問題になっていました。
そうした課題を解決するため、本事業では森林再生のための植林および管理を行うとともに、森づくりと関連した収入向上につながる産業を生み出し、貧困を断ち切る新たな生活スタイルの定着を目指して、様々な生計向上プロジェクトを実施しました。
【成果】
森林再生では合計で25.6haの植林を実施。専門家の指導や丁寧な補植・管理作業によって平均85%以上の生存率(事業終了時点)を達成し、現在でも順調な生育を見せています。
生計向上では養蜂、養豚、山菜栽培、魚の養殖、育牛に加え、その生産物である蜂蜜や魚の加工販売をそれぞれのグループごとに実施。また事業期間が終了し支援がなくなった後も、売り上げの一部を循環させながらそれぞれの事業を継続しており、村人の安定した収入向上に大きく貢献しています。