本部・啓発普及部の吉田です。
個人的な話ですが、お正月、家族と一緒に上野動物園に行ってきました。 実は、ここにはオイスカに大きな関わりがある2頭のゾウがいるのです。 アティ(太陽の意・オス14歳)、ウタイ(日ノ出の意・メス13歳)。 「日本」を意識して名付けられた名前です。
2002年1月4日のこと。 タイ、バンコクから真東に車で6時間のスリン県の県知事が突然記者会見し、 「敬宮愛子様のご生誕のお祝いと、オイスカの20年にわたる植林への感謝として、 象2頭を寄贈する」と発表しました。 もちろん、その話は静かに進めていましたが、記者会見するとは聞いておらず……。 担当をしていた私は、正月休み最終日。家で朝刊を読んでビックリ。 オイスカによる同地での植林は1980年に開始されました。 18ヵ所・411haが森になり(日本人も延べ1,284名がボランティアとして植栽に参加)、1980年に初めて木を植えた日は、前出の県知事により同県の「みどりの日」に制定されました。 突然の記者会見から約半年。 「みどりの日」の翌日でもある2002年7月29日。 現地では2頭のゾウの出発式が行われ、スリン市内はご覧の通り。 大パレードの大にぎわいとなりました。
20年にわたる植林訪問団の派遣を続けていただいた旧オイスカ神奈川支部の会員さんには、 ゾウの輸送経費を募金いただくなど陰に陽にお世話になりました。 他にもタイ政府・在日大使館、日本側でも外務省・宮内庁・農水省・東京都庁にご尽力いただき、 また、空路輸送には全日空にご協力いただきました。 多くの皆さまのご協力といくつもの幸運・偶然もあって、1年がかりではありましたが、 10月11日深夜、無事アティとウタイが上野動物園に到着しました。 この仕事ほど難しいものはなかった……。
一般入場者へのお披露目式は10月29日。 我が家の娘は当時、まだ乳母車でしたが、長男・妻・祖父母とともに式に参列。 今回は、我が家にとってはそれ以来となる上野動物園でした。 飼育員の皆さまのご尽力のおかげで、ゾウは本当に大きくなりました。
まだアティとウタイがスリン県にいた時、私は自力で背中に乗れたぐらいだったのに。 日本での子づくりの期待が寄せられている2頭。 期待に応える日を楽しみにしています。 それにしても上野動物園、素晴らしく変わりましたねー。 皆さんもぜひ2頭に会いに行ってみてください