啓発普及部のグラゼンです。
国内の研修センターの若手スタッフ6人が海岸林再生プロジェクトの現場で、10/22~24の3日間、「若手スタッフ研修」があり私も参加しました。
2011年に海岸林再生プロジェクトが始まり、これまでに年に数回ずつ、トータルで20回ほど名取を訪れました。最初はあまり居心地のいい場所ではありませんでしたが、今では日本で一番好きな場所の一つです。
なぜ好きか? その理由は4つあります。
<その1 成功しているプロジェクトだと感じるから>
私は海外の助成団体への申請を担当していて、その申請のためには、聞いた話ではなく、自分の目で確かめ、現場の方々の声を聞いて申請書を書きたいと思いました。吉田部長から、「現場に行って学ぼう」と言ってもらったこともあり、現場に行くチャンスをもらいました。
現場で、林業の専門家、再生の会のみなさん、たくさんのボランティアさんと会い、プロジェクトに関わっているみなさんが責任感をもって仕事していることを感じました。プロジェクト設計そのものの良さが成功につながっていると感じています。
<その2 10年後の成果に目を見張るものがあるから>
2011年3月11日の大震災から数ヶ月後にプロジェクト現場を訪問しました。
当時、正直なところ、クロマツがなぎ倒され、荒野のようになってしまった場所が、本当に復旧していくのだろうか?と思っていました。それが10年後の今、クロマツは大きく成長し、キツネやタヌキなどの野生の動物が戻り、名取市民の生活になくてはならないインフラとなっていることに驚きと喜びを感じます。
<その3 学びがあるから>
私は、バークシャー・ハサウェイ社の副会長チャーリー・マンガー氏の「常に学びなさい」という言葉が好きです。現場に行くと常に学びがあり、本当に楽しいです。
海岸林は、津波や高潮から生活を守るだけでなく、日常の生活の中で、砂や塩、霧、強風を防いでいます。私の母国フィリピンでは、マングローブを植えることのメリットは理解していますが、マングローブが植えられている場所より内陸の沿岸地域の森林の重要性については、政府でさえ認識していません。
そのため、木があることで海の景色が見えないことに不満を感じ、伐採してきれいな景色を見たいと思うでしょう。海岸林の重要性を啓発していかなければなりません。
<その4 世界各地の植林現場のモデルとなる事業だから>
啓発普及部に異動になる前は、フィリピンの植林プロジェクトの調整を担当していました。
海岸林再生プロジェクトは、世界各地の植林プロジェクトのモデルプロジェクトとなると確信していました。以前、フィリピンのプロジェクト担当者を海岸林の現場に招き、研修を行いました。名取での植栽や育林のやりかたを学ぶことで、まったく同じ方法はできないかもしれませんが、現地の状況に合わせてアレンジしてプロジェクトを実施することが可能となります。
研修の中でとても印象に残っているのは、
「趣味でやっているんじゃない 仕事としてやっているんだ。結果を出してこそ認められるんだ」という佐々木統括の言葉です。
私は、このプロジェクトを誇りに思っています。関わることができて、とても嬉しく思っています。家族がフィリピンから日本に来る機会があれば、絶対に名取に連れて行きます。
名取の海岸林に行くと、毎回リフレッシュでき、また仕事をがんばろう!と思えます。
作業を終えた後、防潮堤からみる夕日は格別です。ぜひ、みなさんもボランティアに参加してみてください
今回の研修では、若手スタッフみんなと話をする時間をたくさんとれたので、いいつながりができたと思います。今後の仕事にきっといい影響があると思います。