オイスカで8~9月の二カ月間お世話になります。インターン生の山中です。
「道を拓いた人々 ‐オイスカ開発の歩み‐」という本を読ませていただき、オイスカの歴史を感じました。この本は、昭和40年代ごろのオイスカの開発団員の方々のインタビュー本です。
オイスカ設立当時はまだ、「国際協力」や「NGO」という言葉が一般化されていない時代でした。そんな中で日本の復興のために尽力した鮎沢さんの生き方に感銘を受けたので、開発団員の鮎沢さんのお話を書かせていただきます。
鮎沢さんは総裁の命令によって、インドに調査団の団長として派遣されました。インドに農業技術指導を受けに来る研修生にきちんと教えられるように調査に行ったそうです。しかし、インドは熱帯。日本は熱帯ではないため熱帯の地域の農業など分かりませんでした。調査団はインド大使館に協力を求めましたが、「普通、何度も調査にきてから、優秀な技術者が送られてくる。それでも思ったように行くわけではないのにではないのに、専門家でもない奴らが来てもうまくいくわけない!」と一蹴されてしまいました。三度交渉に行ったがインド大使館の答えは変わらなかったので鮎沢さんは、勝手にやる!とインド大使館と大喧嘩をしたそうです。
その後さまざまなトラブルが起きましたが、結果としてうまくいき、大喧嘩をしたインド大使館とも徐々に関係を修復していったそうです。
この本には上記のような鮎沢氏の苦労話だけでなく、農具を作るためにパプアニューギニアに行った開発団員の方のお話も掲載されています。他にも元軍医で簡単な医療の知識があったため住民にドクトールと呼ばれた団員の方の話などが書かれています。
この本を読み、オイスカの活動は少しずつ、確実に様々な国の方に認められてきたということがよく分かりました。オイスカの歩みに触れることが出来る一冊なのでぜひ読んでみてください。