2017年12月6日

海外研修レポート ヌエバビスカヤ編

  • 本部スタッフ
  • 国際協力ボランティアの中山です。

    アブラでの研修を終え、次の研修場所であるヌエバビスカヤにきています。車で約8時間かけて、初めの目的地サンホセへ到着。そこから一人でバスに乗り、Aritaoという場所へ。約2時間で目的地へ到着し、ヌエバビスカヤの山の植林活動リーダーLopezさんと合流することができました。

    ヌエバビスカヤでは、2つのプロジェクトを見ることができました。Lopezさんが担当する山の植林活動とJoseさんが担当する「子供の森」計画(CFP)です。

    DSC_7756まずはLopezさんが担当するプロジェクト「山の植林活動」を見に行きました。3日間の滞在の間、とくにかく山に登り続けました。一回山に入るとだいたい2時間くらい山の中を歩き、植林した箇所を見て回りました。運動不足と険しい山道に体力を消耗されましたが、広範囲に広がる森を実際に歩いて植林活動の大変さと木が育つまでの過程を見ることができました。

     

     

    プロジェクトが始まったのが1993年。今年で24年目になります。初めは30ヘクタールを北九州グループと一緒に植林し、以降毎年植林活動をしています。現在は、コスモ石油(2年目)、電力総連が支援をし、植林活動に参加しています。植林するときは、約25本の木を背負って約1時間かけて山に登り植林する場所へ行きます。植林する木が大きいため、25本以上を持って行くことができないため、午前、午後の1日に2回山に登り、計50本の植林を行います。実際に植林した場所に登りましたが、何も持っていない状態でも急な山道、舗装されいない道を歩くのはかなりの体力と足腰の力がいることでした。
    植林している木は、さまざまで主にジェミリーナ(現在はしていない)、マホガニ、ナラ、アカシア、ユーカリ、サガです。他にもCFPのためにアテス(Ates)、果物ではグヤバノ、アボカド、ジャックフルーツなどを植林しています。植林した木を管理するために従業員を10人から15人雇っています。朝6時半から午後3時半まで山の中で、肥料をやったり、草刈りをしたり、苗木作りを行っています。しかし、広大な森のためメンテナンスするのには従業員が少ないのが問題だと話していました。問題点として、植林活動は植林するだけが目的ではなく、その後の管理活動も含めて植林活動(森づくり)であるが、なかなかそこまでを行う支援、活動がないのが難しいと話していました。

    Lopezさんの言葉の中で印象に残っているのが「Get start small, get big result」その言葉の通り、初めは小さい範囲でしか行われていなかった山の植林が今では見渡す限りの山々が森となっていました。

    今年8月に植林活動した人のプレート
    今年8月に植林活動した人のプレート
    一つ一つの木に追肥しているところ
    一つ一つの木に追肥しているところ

     

     

     

     

     

     

    そして、Aritaoから約2時間ほど離れた場所、Bagabagへ。ここでは、CFPのリーダーJoseさんと学校訪問、OB/OGの活動を主に見てきました。ヌエバビスカヤでは、CFPが1993年からスタートし、計98校が活動してきました。今年は、2つの州で15校が参加しました(10校がヌエバビスカヤ)。その中で6校(1校は高校)を訪問しました。

    今回植林した木
    今回植林した木

    1校目は、ヌエバビスカヤで初めてCFPを行ったVISTA HILLS小学校です。一回の活動で約50本を植えます。これ以上増えるとその後の管理・維持が大変で、森づくりができないためだと言っていました。今年6月に電力総連と一緒に植林活動し、木がすくすくと育っているのを見ることができました。大きくなりすぎた木などは、切って学校で使用しているようです。過去には机と椅子を作ったそうです。電力総連などの支援者が訪問する際に、子供たちのためにと、文房具類を寄付していただくこともあり、教育現場に役に立っていると話していました。

    学校の先生が、山から水が出ているのを説明しているところ
    学校の先生が山から水が出ているのを説明

    2校目は、長年CFP活動に参加していたMAGAPUY小学校を訪問しました。現在は木を植えるスペースがなくなったため植林活動はしていないとのことでした。CFPを行った土地は2ヘクタールになります。山には草しかなっかったのが、現在は森となり、自然に木も育ち、動物も戻ってきたと嬉しそうに話してくれました。また木が大きく育ったおかげで、山水が出るようになり、無料できれいな水を使用できることに喜んでいました。問題は、木の管理のためにお金がいること。また山水がいたる所から出ており教室などの建物にも影響がでるためそれを防ぐためのお金も必要だと話していました。

    森づくりから公園へ
    森づくりから公園へ

    3校目は、CAREB小学校です。2009年と2011年にCFP活動をしました。木が大きく育ち、その木の下で勉強をしたり、友達と話したりと活用されていました。教室は暑いので、その木の下で勉強をしたり、友達と話したりと活用されていました。訪問時は、公園のコンテストが行われるためその準備で椅子や机などを塗装してよりよい公園にするために働いているところでした。

    DSC_7942
    配列がきれいになってます

    4校目は、MURONG小学校です。1回目は2004年。それから3年後2007年に「30日間植林ボランティア」のメンバーによってCFP活動が行われました。2007年に植林した木は立派に育っていました。ここの木の特徴は写真でもわかるように木が一直線にきれいに並んでいることです。今までたくさんの木を見てきましたが、バラバラに植えていたのでこのようにきれいに配列された植林は初めてでした。

    DSC_7951
    大きくはないですが、森になってます

    最後はM.V.DUQUE小学校です。他の学校と違い土の問題もあり、なかなか植林がうまくいかなったそうです。他の学校と比べると木も小さいのが特徴でした。しかし、木が小さいながらしっかりと森となっており、自然に木も育っていました。また、収入のことも考えて現在は、果物を新たに植える計画をしているそうです。

    そして、小学校ではないのですがMURONG NATIONAL高校にも訪問しました。ここもオイスカの支援で植林活動を行っていました。また、植林以外にもミミズ堆肥をオイスカの支援で行っていました。高校生と一緒に植林活動も行い、また大きく育ち森になるように願っています。

    ミミズ堆肥づくり
    ミミズ堆肥づくり

    また、オイスカのOB/OGの活動にも触れることができました。日本で技能実習としてしいたけ農家で研修したMaribelさんです。現在は、農業大学で学生にシイタケ栽培の指導、シイタケの商品化などを行っています。2010年からプロジェクトをスタートし、見事にヌエバビスカヤシイタケを作ることができました。残念ながら、実際にお会いすることができませんでしたが、シイタケを栽培している場所、ラボを見ることができました。

    二人目には中部日本研修センターの農業実習生のOB Reginoさんです。18年前に日本での研修後、学校の先生になりました。現在は高校の校長先生になり、働いています。日本で学んだことを直接仕事とは結び付ける職種ではありませんが、高校生に日本語を教えていました。また、CFPなどの活動時に日本人のホームステイ先として積極的に受け入れ、オイスカの活動にも協力してくれています。

    シイタケの菌糸づくりの過程
    シイタケの菌糸づくりの過程
    ヌエバビスカヤシイタケ商品一覧
    ヌエバビスカヤシイタケ商品一覧

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ヌエバビスカヤでは動き回った1週間となりました。あっという間に1週間が終わった。そんな印象です。オイスカの活動、OB.OGの活動も見ることができ充実していました。植林活動には月日がかかること、そして植林だけが本当の活動ではないこと。植林後の活動の大切さを知り、CFP活動の規模の大きさも知ることができました。

    次はヌエバエシハです。

    ヌエバビスカヤは見渡すが限り田んぼの光景が多かったです
    ヌエバビスカヤは見渡すが限り田んぼの光景が多かったです
    山の中にはハチの巣もたくさんありました。動物なども戻ってきている証拠です
    山の中にはハチの巣もたくさんありました。動物なども戻ってきている証拠です

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