2008年7月12日、オイスカ東京本部事務所にてミャンマー・サイクロン被災地支援報告会を開催しました。これは、ミャンマーサイクロン被害の緊急支援、農業復興支援を行っているミャンマー農林業研修センター・藤井啓介の一時帰国にあわせて企画されました。
当日は30度を超える蒸し暑い中、参加した20名は1時間にわたる報告に熱心に耳を傾けていました。報告は、被災地の様子やオイスカが行った食糧などの緊急支援、その後の復興支援について、写真や動画などを用いながら紹介されました。
今回オイスカが実施した緊急支援では、オイスカスタッフ20名とミャンマー人ボランティア100名が活躍しました。また、被災しなかったミャンマー人から食糧や衣料などの提供の申し出が相次ぎ、それらの運搬や活動拠点の提供などさまざまな面でミャンマー国内からの支援を受けたことが報告されると、参加者からは「これまで日本では報道されていない、新たな一面を知ることができた」と驚きの声が上がりました。
また、農業分野に関する被害として高い農業スキルを持った人材の多くが亡くなってしまったことや、種籾・農業資材などの多くを失ったことが報告されました。これに対し、被災した農家の今年の収穫が期待できなければ今後の復興を遅らせる原因になることが指摘され、7月第2週までがリミットといわれる種まきの時期に間に合うよう、種籾の配布を急ピッチで進めていることが報告されました。今後もオイスカでは中長期にわたり、人材の育成などに取り組んでいく計画です。
ミャンマー国外からの支援に対しさまざまな規制があったほか、その後、中国・四川大地震や岩手宮城内陸地震などが相次いで起こったため、日本はミャンマー・サイクロン被害に関する情報が得られにくい状況にあります。しかし、現地では現在も支援が必要とされており、日本でも「過去の災害」としてしまわずに、今後も関心を持ち続けていくことの大切さを確認し、閉会となりました。