国際森林年の記念事業として開催されたこのシンポジウムには、国連の藩基文事務総長と国連国際森林フォーラムのジャン・マックアルパイン事務局長からビデオメッセージが寄せられました。
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた東北地方の海岸林をどのように再生して行くのかに焦点をあてた今回のシンポジウムには、宮城県から名取市東部震災復興の会・鈴木英二会長と宮城中央森林組合 業務部森林活用課・佐々木勝義課長の2名をパネリストとしてお迎えしたほか、名取市からは、被災地の皆さんも30名ほど会場に駆けつけてくださいました。
2004年のインド洋スマトラ島沖大津波からの復興に関わって来たインドネシア・アチェ州のオイスカスタッフからは、プロジェクトの事例紹介があり、道路や建物など一通りの修復が終わったら復興が終わりなのではなく、そこに住む人たちが生計を立てていくための支援が必要であることが強調されていました。
林野庁からは、皆川芳嗣長官にパネルディスカッションにご参加いただいたほか、治山課の山地災害対策室井上晋室には海岸林の再生に向けた考え方など報告をしていただきました。
シンポジウムに参加された方々からの感想には、「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」の座長を務める東京大学名誉教授である太田猛彦氏から報告された、「日本の山はもともと禿げ山だった」との話に驚いたというものが多かったようです。また、「海岸林の再生は絶対に必要だと感じた」「植林にはぜひ参加したい」といった意見が多い中、「はっきりとした植林プランが示されなかったことを残念に感じた」という意見もありました。具体的なお話を聞きたいと希望して参加してくださった皆さんには申し訳ありませんでしたが、現在は、林野庁や宮城県庁、地元住民の皆さん、関係各機関との調整をしながら、オイスカとしてどのように海岸林の再生に関わっていけるのかを計画している段階ですので、今しばらくお待ちいただければと思います。
開催にあたり、ご協力くださった関係者の皆さん、会場にお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。