松島町に入った時には、もう夜9時を回っていました。
4月も半ばだというのに激しく雪が舞っており、寒い…。避難所にいる方々のことが頭をよぎります。松島町は日本三景に数えられる美しい町ですが、観光客らしい人は一切見られず、宿は支援活動に来た人たちでいっぱいでした。全体的に大きな被害は見られないものの、家々の前には家具や家電が積み上げられ、ここもまた、津波の被害があったことがうかがえます。
宿のご主人に話を聞くと、床上まで浸水したとのこと。「大変でしたね」とお声かけしたところ、「東松島町に比べたら、私たちなんかまだまだ被害は少ないですから…」との返事。
翌日、オイスカ・宮城県支部の会員さんで、以前、「森のつみ木広場」のインストラクター養成講座でもご縁のあった、松島町野外活動センターの管理をされているNPO法人ウイザスの砂金事務局長を訪ねました。
「オイスカです。ご無沙汰しております」「お~ どうしたの~。入って入って!!」
私はその日が初対面だったのですが、お元気そうな笑顔を見るとそれだけで、なんだか昔からの知り合いに再会したかのようにうれしくなってしまいました。センターにも避難されている方々がいるとのことだったので、「今必要なものはなんですか?」とお聞きしたところ「みんな、生鮮食品を食べたがっている」との回答でした。
食べたい物がいつでも食べられる、ということを当然のことのように思っているけれど、当たり前のことではないのだとあらためて感じました。
つみ木を使った支援のことをお話すると、「うちに置いてあるつみ木もいつでも使ってよ。すぐに使えるように準備しておくから」とうれしいお言葉をいただきました。
いつも人の温かさに救われます。逆に頑張るエネルギーを注入していただきました。
(報告:本部啓発普及部 長野純子)