昨年3月の大津波で被災した宮城県南部の海岸林再生に向けた国の盛土工事がこの秋始まるにあたり、「被災直後の姿をとどめるクロマツ林を今のうちに見ておきたい」との要請が「海岸林再生プロジェクト」の支援企業や労働組合を中心に多数寄せられました。そのためオイスカは、9月15日に、「名取市被災海岸林踏破ツアー」を急遽実施しました。
参加者88名は仙台空港に集合し、クロマツが内陸側に一斉に倒れたままの場所や、一部が裸地化した森林跡、盛土の上に植栽されていたことで深く根を張ることができたために生き残った林などを歩いて視察。オイスカと「名取市海岸林再生の会」の第1育苗場では、今年の3月に播種されたクロマツの苗が順調に育っており、参加者は笑顔でカメラを向けていました。
7㎞の全行程を踏破した参加者からは、「歩いてじっくり見たことで、被害の重大さが分かった」「体当たりで10年間ものプロジェクトを推進している皆さんを見ていると、自分まで元気になった」などの感想が聞かれました。同地で植林が本格的に始まるのは2014年春というのが目下の見通しです。