1990年代、「子供の森」計画(以下、CFP)への産業別労働組合による支援が増え、CFP参加校に組合員を派遣しボランティア活動を行う動きが活発化しました。その背景には92年の「地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)」開催による地球環境問題への注目や95年に発生した阪神・淡路大震災後のボランティア意識の高まりなどがあげられます。
当時バングラデシュのCFP参加校への支援を決めたUAゼンセンは、あわせてコックスバザール県のチッタゴン・マングローブ植林プロジェクトも支援。毎年組合員が同国を訪問し、子どもたちとの交流および植林のほか、マングローブ植林も行っています。今年も5月から6月にかけ、27名が2班に分かれて1週間ずつ現地を訪れ、地域住民との森づくり活動に参加しました。滞在中はホテルではなくプロジェクトハウスに寄宿し、毎日泥だらけになりながら植林をするハードな内容です。今回が18回目のボランティア派遣となり、地元からは「毎年の訪問を心待ちにしている。プロジェクトの大きな力となっている」と継続を望む声が上がっています。
6月13?21日にかけ、フィリピンのヌエバビスカヤ州で植林活動にあたった電力総連は今回が17回目のボランティア派遣となりました。植林やホームステイ、CFP参加校訪問などを体験した参加者は「人と人との“ふれあい”があふれる毎日だった。地域の皆さんに会いに、そして一緒に植えた木々を見に、またこの地に戻ってきたい」と感想を寄せています。
また、来年2月にタイへのボランティア派遣を計画している東京海上日動火災保険㈱は、97年よりマングローブ植林支援をスタート。18年目となる今年度からは、既存のマングローブ林の保全活動への支援も新たに加わりました。これまでインドネシア、タイ、フィリピン、フィジー、バングラデシュの合計4千561haに植林がなされました。
長期的な支援や組合員・社員による継続的な現場訪問は、プロジェクトの計画的な推進が可能となるだけではなく、地域住民のモチベーション向上にもつながり、森づくりの原動力となっています。