2008年3月1日

森づくりコミッション 国内での森づくりの動きと今後の方向性

  • 国内ニュース
  • 近年、地球温暖化や生物多様性保全などの地球規模の環境問題の顕在化により、森林の公益的機能に対する国際社会からの期待が高まっています。一方で、国内の森林は山村地域の林業の衰退や担い手の高齢化と不足に加え、地方経済の低迷に伴う山村地域の財政悪化により、産業としての林業および行政による森林管理は停滞し、森林の荒廃、放置が進んでいます。

    このような中、森林を社会全体の共有の財産・資源として次世代に豊かな状態で引き継いでいくために、幅広い国民への理解と参加を促進するとともに、新たな企業、学校、NPOなどの多様な主体の参画・協働により、持続可能な森林管理を実現する新たな循環型の社会システム構築に向けた取り組みを促進していくための方策が、林野庁を中心に検討されています。
    昨年来、林野庁などが中心に各地で推進している「森づくりコミッション」は、森づくりに関するノウハウを持たない企業・学校・NPO等の新たな主体の森づくり活動への参加促進のために、地域行政、森林所有者や森林ボランティア団体、関係諸機関との橋渡しや企画立案等をぽこなう支援組織です。設立にあたっては、相談、問い合わせに対応する窓口機能、効果的で継続性のある森づくりの企画立案機能が求められています。

    2007年12月14日から17日まで、多様な主体が連携・協働することで、地域における森づくりコミッションのような中間支援機能を構築・拡充する方策や、事例紹介、ワークショップを通して推進のためのビジョン、プランづくりを習得するための「第13回グリーンカレッジ」が国土緑推進機構の主催により、東京都内で開催されました。本研修会には@「森づくりコミッション」の主体を担うことを期待されている県林務担当部署、緑化推進委員会、NPOなどの担当者が参加しました。IIHOE(人と組織と地球のたまめの国際研究所)・川北秀人代表による「中間支援組織の機能や役割、あり方」など、有識者による講義、各都道府県やNPOなどが中心となった森づくり活動や、企業の森づくりについてのワークショップでは、山村側と都市側の目的を整理し効果的な森づくり推進のために活発な意見を交換しました。オイスカも、本研修に受講生として参加するとともに、これまで国内で数多くの企業や行政等と連携・協働して森づくりや学校林活動のコーディネートを進めてきたNGOとして事例紹介をしました。

    森づくり活動の動きが盛り上がる中で、オイスカはこれまでの手法を活かして有用な情報を収集、提供するとともに、社会全体の動向を調査、分析した上で、関係諸機関の要望を踏まえ継続的かつ社会から必要とされる森づくり活動を推進していきます。

    また、森づくりを起点して、それぞれの地域の人材、資源、産業を活かし、地域全体の活性化につながるような活動へ、今後さらにその幅を広げられるよう努めていきます。

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    0301-1本部組織広報部課長・加藤 豊

    「我々には山や森を育てて生きる使命がある」。ある山村地域の町長の言葉が脳裏に焼きついています。今後の日本の森林保全を考えるには、森林を取り巻く産業や地域の再生と活性化を同時に進めていく必要があります。そのために山村と都市側双方の関係者と協働しながら、森づくりなどの必要とされる活動を通して山村地域の活性化に努めたいと考えています。

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