2019年8月7日

日本NGO連携無償資金協力タイ・チェンライ県での事業が終了住民の自助努力により活動を継続

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  • 山菜の栽培により生計向上が実現

     2016年6月にタイ北部のチェンライ県の3村で始まった、日本NGO連携無償資金協力による「チェンライ県の山岳地帯の貧困層を中心とした対象地域における森林保全・再生と生計向上プロジェクト」。3年間の取り組みの中で、オイスカのこれまでの地域開発、環境保全の実績が集約されたといえる成果を上げることができました。

     今回のプロジェクトでは、30年来の森林再生・保全の歴史を持ち、国から里山として森林活用の許可が出ているパボンタオケンチャン村、10年来の植林実績を持ち、これから生計向上に取り組んでいくホイエン村、緑化については黎明期といえるメーパックレ村という、開発ステージの異なる3つの村を選定し、その段階に応じた住民への啓発活動や、ふさわしい規模での生計向上策を提供しました。

    植林には子どもたちが参加することも

     実施に当たっては住民への説明と事前の調査を念入りに行い、いくつかのアイデアを示した上で十分な理解を得た後、養蜂、山菜栽培、 養豚、養魚などの生計向上策を自ら選択してもらいました。

     植林地に隣接する地域での森林火災、天候不順によるハチの個体数の減少、牛の伝染病による飼育の遅れなど、必ずしもすべてのプロジェクトが首尾よく進んだわけではありませんでしたが、過去のセミナーやワークショップでの経験を活かしたり、専門家からのアドバイスを受けたりしながら、困難を乗り越えてプロジェクトの成功へと邁進しました。

    式典でスピーチをする森田海外事業部長

     3年間のプロジェクトを締めくくる5月24日の終了式典には、チェンライ県副知事の臨席を得て、オイスカ本部海外事業部長森田章のスピーチ、オイスカ・タイ総局アリ・チョアングリア会長による終了報告のほか、3村からの成果物の展示と販売などが行われました。また、プロジェクトの持続発展性の確保に向けた今後の取り組みについて意見交換がなされ、同総局役員で天然資源環境省第6地区責任者カヤイ・トンヌヌイ氏のファシリテーションにより、参加者からは、特産品のネット販売戦略や村人の積極的な参加を呼びかける方策など、前向きな意見が多数聞かれました。今後、現地では本支援により供与された機材の有効活用、生計向上策の継続的な実施と利益の共有資産化による運営費の捻出などにより、各村の発展が持続的なものとなるよう、引き続き取り組んでいくことが確認されました。また、オイスカからは必要に応じて助言を行っていくとともに、本事業での経験が周辺の村やタイ国内外にも波及するよう努めていきます。

     

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