福島県郡山市。今回、初めて放射能被曝の問題を抱えている地域で活動を行いました。
「元気なこおりやま・キッズフェスタ」実行委員長・菊地氏の言葉です。
「今日来た子どもたち、普通の子どもと変わりなく見えたと思います。しかし、郡山の子どもたちは外で遊ぶことができません。それに私たちは、外に洗濯を干すこともできませんし、思うように外出もできません。そんな日が今日だけでなく、毎日続いています。それがどんなに辛い生活か、知って欲しい。そして終わりの見えない不安を抱えていることを知って欲しいと思います。子どものころ、戦争を体験したおじいちゃんが今もその時のことを忘れられないように、震災を体験した子どもたちは、一生このことを忘れることができないと思います。それでも、そんな辛い日々の中に、今日の楽しかった思い出が1つでも残れば、きっとそれは子どもたちの支えになるはずです。特に被害が目に見えにくい地域は、報道がなくなればきっと忘れられてしまい、支援もなくなっていくでしょう。東京に帰ったら、郡山のことを周りの方に伝えて欲しいと思います」
つみ木に来てくれた保護者の方の言葉です。
「子どもたちは被害が目に見えないので、外に出たがります。でも、親としては外で遊ばせることはできないので、家の中で遊ばせています。しかし、家にいる時間が増えた分、子どもを叱ることも随分増えてしまって…。それが子どもにとってストレスになっているかもしれません。」
私はこのイベントが終われば東京に帰り、不自由のない普通の生活ができます。しかし、今回聞いたこれらの言葉を忘れないでいたいと思います。そして皆さんにもお伝えしたいと思いました。知ること、そして発信し続けること。これが私たちにできるもうひとつの大切な仕事だと、今回気づかされました。
同時にこの被災地域における「つみ木」の活動で、自分たちがすべきことは何かといろいろ考え、気負っている自分がいましたが、子どもたちが心から笑える「楽しみの場」を提供する。それが、自分にできる一番のことだと気づきました。たくさんの「楽しかったよ」が聞けるように、活動を続けていきます。
(報告:本部啓発普及部 長野純子)