10月1・2日、オイスカ・インターナショナルの国際理事会が東京で開催され、15ヵ国から国際理事のほか総局関係者らが参加しました。本年9月にスタートしたインド・バラナシにおける植林プロジェクトをはじめ、各総局における1年間の活動を報告したほか、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献をベースにした新たな活動展開などについて討議を行いました。また、10年以上にわたり事務局長を務めてきた永石安明が退任し、新たに木附文化が就任することが報告されました。
1日の国際協力の日のつどいでは、「Eco -DRR(生態系を活用した防災・減災)を軸としたオイスカの新たな展開」をテーマに開催され、 全国の会員など235名が参加。インドネシア、 中国・内モンゴル、フィリピンで進む、大規模緑化プロジェクトの担当者らが登壇し、海面上昇や砂漠化、山火事といった困難にどのように立ち向かっているのか、現地での活動を発表しました。
インドネシアの中部ジャワで約3千haのマングローブ植林を担当するラフマット・プリハルタントは、道路が冠水してしまうため、靴を脱いで登校する子どもたちの写真を示しながら、海面上昇の深刻さを訴えました。さらには水没を理由に移転を余儀なくされた207世帯の村で、唯一村に残った家族の生活を紹介。村の周辺に植えたマングローブが森を形成し、高潮の影響を受けにくくなったこと、漁獲量が増えて漁で生計を立てられるようになったことなど、村や家族の生活の変化が報告されました。
オイスカの顧問を務める太田猛彦東京大学名誉教授は、「オイスカのこれまでの活動はEco-DRRという切り口で括ることができる。今後はここにSDGsのターゲットも加味して発信していくことで、活動への注目度をより高めていける」と総括しました。
また、Eco-DRRをより深く理解し、実践につなげるため、主に海外で大規模緑化プロジェクトを推進するスタッフらを対象に、9月29日〜10月8日にかけて研修を実施。森林を活用した日本の防災や減災の取り組みについて、東京、宮城、栃木などで視察をしたほか、国や自治体などの関係者から講義を受けました(月刊「OISCA」12月号TOPICで詳細を報告予定)。
新たなコンセプトを得て動き出す各国の活動に引き続き支援をよろしくお願いいたします。