2009年4月14日

国連環境計画(UNEP)親善大使加藤登紀子さん ナンボティーニ村再訪

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  • 大きくなったマングローブを背に(写真提供:トキコプランニング
    大きくなったマングローブを背に(写真提供:トキコプランニング

    国連環境計画(UNEP)親善大使を務めている歌手の加藤登紀子さんが、4月14日から24日の10日間、フィジー諸島共和国とツバルを訪問、ツバルでは主に海岸侵食、廃棄物管理の現状を視察したほか、フィジーでも環境の現状を見てまわりました。特に、今回のフィジー訪問では、前回2003年9月のフィジー視察の折に植林体験をした、オイスカの活動地ナンボティーニ村再訪の要請が加藤さん側から出されたため、4月15日、フィジーのオイスカ関係者が一行を案内することになりました。

    ナンボティーニ村を訪れた加藤さんは、訪問者が村に入るときに行われる伝統的なセブセブの儀式で迎えられ、オイスカ・スタッフのマシーから、植林したマングローブがよく育ち、いろいろな魚・カニ・エビなどがたくさん戻ってきたと説明を受けました。加藤さんは、セブセブで供されるカヴァ(胡椒科の木の根を粉砕して濾し出した飲み物。ココナッツの実の殻で作った器で供される)をおかわり。村の伝統をにこやかに受け入れる姿に村人たちからは拍手があがりました。すっかり打ち解けた様子で、村の生活や伝統について質問したり、村の家々へ入っていっては、ちょうどお昼の用意をしている婦人たちと語り合うなど、再会の喜びをかみ締めていました。

    ステキなミニコンサートになりました
    ステキなミニコンサートになりました

    その後、村のボートに乗って、加藤さんも自ら植えたマングローブ植林地を見学。6年目を迎え、マングローブは人の背丈よりずっと高く、しっかりと蛸足のような根を張りめぐらしています。オイスカの中でも大変成果の出ている植林地のひとつで、中には7~8メートルの大きい木もあって、見事に成長したマングローブに驚いていました。

    こんもりとしたマングローブ林が村の沿岸を守り、海の恵みをもたらしてくれていることを村の人たちも肌で感じています。加藤さんから、海の幸はどのようにして採るのかとの質問が出ました。マングローブの外側に網を張り、満潮時に網の中に入った魚を採るという説明でした。自然の摂理に従って、食べる分だけ採ることを守っているとの話に聞き入っていました。

    視察後村に戻った一行は、村人が用意した伝統的なロボ料理を楽しみました。土を掘って作った穴に大きい石を置き、火をたいて石を十分に加熱します。石が熱くなったら食材を乗せ、バナナ・サトイモの葉っぱで覆い、さらに土をかぶせて時間をかけて蒸し焼きにします。加藤さんらは、「カナビナカ(おいしい)!」を連発しながらたくさん食べました。

    食事を終えると、加藤さんから今日のお礼にと、ミニコンサートのプレゼントがあり、ギターを抱き、歌の説明をしながら、自作の歌や、日本の伝統的な歌を披露。最後に歌われた「知床旅情」には村の人もしんと静まり返って聞きほれていました。

    加藤さんが帰る時間となると、村長の発声で「イサレイ(お別れの歌)」を村人全員で合唱。「また来てください」という村人の心優しい声が響き、人のつながりから生まれるあたたかさを実感する一日となりました。

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