国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によれば、パプアニューギニアの国土面積の約63%(2万8726ha)を占める森林のうち約91%が自然林とのことです。南米のアマゾン、アフリカのコンゴ川流域に並ぶ世界三大熱帯林地域ともいわれ、 非常に豊かな生物多様性が見られる国でもあります。
しかし、森林破壊の波は同国にも例外なく押し寄せています。過去30年間で4分の1以上の森が伐採され、加えて最近増加しているのがオイルパーム園への転換です。
オイスカの活動拠点があるニューブリテン島にはもともとカカオ園が多くありましたが、害虫被害により壊滅状態に陥ってしまいました。それに乗じて海外企業が住民にアプローチし、自然林やカカオ農園をオイルパーム園に転換させる事例が多発しています。こうした流れは生物多様性の崩壊を招くだけでなく、住民の持続可能な生活が維持できなくなるなど、大きな問題の発生にもつながっています。
そこで、2011年度から3年間の予定で、森林保全活動に理解を示す㈱グリフィンインターナショナルの支援を得て、十種類以上の有用樹種を植え里山への変換を促すモデル林作りをスタートさせることになりました。壊滅したカカオ農園をオイルパーム園にするのではなく里山へと変換し、持続可能な生活維持のための自然資源として定着させることを目指しています。これにより、海外企業による自然林の開発への圧力を低下させ、結果的に自然林保全につながることが期待されています。