2018年12月5日

モンゴル持続可能な森林資源の保全と 住民の生計向上の実現に向けて

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  • トヨタ環境活動助成プログラムの支援で植林や養蜂が順調に進捗

    モンゴルでは2016年より訪日研修生OBが中心となり、同国北部のブルガン県セレンゲ村で森林保全事業を実施しています。今年度スタートしたトヨタ環境活動助成プログラム(以下、プログラム)では、2年間で対象地2haに4千本の植林、1千本の希少種芍薬の定植のほか、生計向上を目指した20戸の養蜂家の育成に取り組んでいます。

    村人たちによる植林活動。芍薬も植えられた

    プログラム開始にあたり、4月には日本から清藤城宏緑化技術顧問を派遣。モンゴル行政機関や地元住民との調整、植林地の調査などを実施しました。翌、5月にはOBと村の住民を含む約100名で植林地にフェンスを設置、周辺7haの植林地整備活動を経て、10月までに4種類の樹木2千本、2種類の芍薬500本の植え付け作業を行いました。

    現地での活動を担うのは、地元出身でセレンゲ村の女性農業グループのリーダーでもあるエルデネーオチル・エルデネトゥヤ(トゥヤ/2017年度西日本研修センター卒業)を中心とする訪日研修生OBたち。地元住民に環境保全の意義を伝えながら、共に持続可能な森づくりを進めています。その中で、今年度は10名の住民を対象に、養蜂の技術研修を行いました。8名が未経験者でしたが、一箱当たりのはちみつの収量がモンゴル平均の1・5倍となる住民もいるなど、成果が出始めています。プログラムを担当するトゥヤは、「日本の研修では農業だけでなく、森林保全の必要性を学んだ。担当として地元の森づくりに携われることに使命感を感じている」と話しています。

    養蜂の基礎を学ぶ実践研修後、参加者には機材が配布された。
    順調に蜂蜜が収穫され、販売もスタート

     

     

     

     

     

     

     

     


    日本との連携、友好を深めながら村をあげて活動の推進に尽力

    プログラムが進むセレンゲ村では、7月には静岡県支部14名、8月には山梨県支部9名の植林ツアー参加者らを受け入れました。静岡県支部は3年目、山梨県支部は今年初めてとなる訪問を村をあげて歓迎し、プログラムの植林地に隣接するエリアへの合計1700本にもおよぶ植林も、日本とモンゴルの友好を象徴する盛大なものとなりました。

    村では日本からの植林ツアー参加者を歓迎。植林も一緒に行われた

    また、同村のナサンドラム村長は、自ら周辺の村長らを率い、10月11 ・12日に東京で開催されたオイスカ・インターナショナルの国際理事会に出席。同地での取り組みを他国の参加者に紹介すると同時に、他国での取り組みから学ぼうと意欲的に会議に臨み、終了後には、希望者を対象に行われた山梨県で進む「富士山の森づくり」の現場視察にも参加しました。100haにおよぶ植林地での取り組みを視察したナサンドラム村長は、「大規模育林の方法や植林後の管理作業を参考にしたい」と話し、企業をはじめとする多様なステークホルダーが協働して進められていることにも高い関心を示していました。

    今後もナサンドラム村長のリーダーシップの下、地域住民とOBが一丸となり、プログラムが進められることが期待されます。

    富士山の森づくりの現場を視察し、管理作業の重要性について学ぶナサンドラム村長(左から3人目)
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