2019年5月8日

フィリピン 災害級の山火事にも立ち向かう! ルソン島での森林再生への挑戦

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  •  フィリピン中部で進むヌエバビスカヤ植林プロジェクトは、1993年から訪日研修生OBであるマリオ・ロペスを中心に、OBらが力を合わせて森林再生活動に取り組み、日本からもさまざまな企業・団体からの支援を受けながら約540haを植栽。今では森林再生のモデル地となっています。

     一方で、自然災害の脅威に直面しており、特に乾季に発生する山火事の被害は深刻です。他地区からの延焼を防ぐため、植林地の外周14㎞に幅10m前後の防火帯をつくって対策を講じてきましたが、3月4日には、隣地の牧場の野焼きから飛び火し、近年最大級の山火事が発生。昼夜を問わず懸命に消火活動にあたりましたが、プロジェクト内の120haに被害を与えました。幸い、植林から20年以上が経過したエリアが主であったため、一定割合での生存や萌芽更新が見込めますが、経過調査を行いながら今後の対策を検討していきます。

    山火事の被害を受けたエリアを視察。
    引き続き調査を実施する予定

     同じくOBのデルフィン・テソロが中心となって森林再生に取り組む、同島北部のアブラ州でも、火を使ったアリの巣採取や焼畑などの人的要因による山火事が頻発しており、政府は防止策を講じるどころか、被害面積すら把握できない状況です。また、90年代に植えたジェメリーナなどの根が浅い樹種が、近年の巨大化する台風により倒れる被害も発生。その軽減策と倒木した木材の有効活用が課題となっています。

     長年の経験や地域とのネットワークを活かしながら、頻発する自然災害に挑むOBたちは、政府とも連携しながら今後も対策を講じていきたいと話しています。

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