オイスカは2018年8月より、フィリピン・レイテ島にて、熱帯の砂浜海岸における造林技術の開発に取り組んでいます。
各地で自然災害が頻発し、海岸林の持つ防災・減災の役割が再認識され始めている昨今、同国をはじめとする熱帯地域にある国々の沿岸において、津波などの脅威から村や人々を守る森づくりがさらに拡大することが見込まれています。しかしながら、高温、乾燥、強風といった環境下での海岸林造成事例はほとんどなく、技術開発が急がれています。
そのような中、オイスカは13年の大型台風ハイエンで被災した同島の沿岸地域において、マングローブの造林を行うと同時に、陸地でも海岸林の造成を実施。その経験から、熱帯地域での植林活動や環境問題に取り組む 国際緑化推進センターより委託を受け、技術開発のための実証実験が開始されました。
実験では、植林する樹種の選定、育苗から行い、2月21日には沿岸への移植を実施。現地での普及を念頭に、熱帯地域に多く栽培されているココヤシの実など、比較的入手の容易な資材を活用しています。ココヤシの実の内部の繊維は特に保湿性に優れており、育苗用の土の代わりに用いたほか、移植の際には、苗の周囲の砂の高温化と乾燥を防ぐため、割った殻を根元に敷くなどの工夫がなされました。今後も調査を継続して実施し、沿岸地域を守る新しい森づくりに挑戦していきます。