2011年の1月15日、フィジーにてサンゴ礁保全活動を視察中に不慮の事故で亡くなった澤井勝之オイスカ・フィジー駐在代表(当時)の遺志を受け継ごうと、事故のあったナヴトゥレヴ村に住民の手によって環境保全活動の記念碑が設置されました。
亡くなってから一年にあたる1月15日、日本から澤井氏の兄ご夫妻も参加し、元駐在員の宗像ジュイエ、1月に赴任した菅原弘誠駐在代表代行やオイスカがサンゴ礁保全活動を実施する周辺21ヵ村の代表者、そして同村の村長・村人らとともに、フィジーの伝統にのっとった鎮魂の儀式と記念碑の除幕式が行われました。「半生を地球環境保全活動に捧げた故人の遺志を受け継いでほしい」との遺族の意向を受け、オイスカの環境保全活動の象徴として設置された記念碑には、子どもたちがサンゴ礁保全に興味を持つきっかけとなるように、フィジーに生息するサンゴのサンプルが学名とともに展示されています。海を臨む海岸に設置された記念碑に見守られ、スタッフはこれからも安全第一に配慮しながら自然を守る活動を続けていくため、心を新たにしました。
オイスカは以前から、同村でサンゴ礁保全活動やマングローブ植林活動を行っています。事故の後、村人とオイスカの間で数多くの会合が持たれ、今では多くの村人が以前より積極的にオイスカの活動に協力するようになり、活動拠点の一つとなりました。
この地域では近年、水位上昇などの影響から海岸の浸食被害が広がっており、マングローブ植林の必要性が高まっています。オイスカは本年1月からトヨタ自動車㈱の助成を受け、植林技術指導を含めた人材育成活動、子どもたちへの環境教育活動、そして2年間で20haを目標とするマングローブ植林プロジェクトを開始しています。同村は苗木育成拠点の一つとして、プロジェクトの中心となることが期待されています。
澤井勝之氏の遺志を受け継ぎ、オイスカ・フィジーはこれからも環境保全活動に邁進していきます。