2008年11月27日

パプアニューギニア・ラバウルエコテック研修センター  センタースタッフの能力向上も強化目標に2009年の研修スタート

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  • 「子供の森」計画では、研修生たちが地域の学校を回って、環境劇を披露し、森の大切さを訴えている。人に教え、説明することによって、研修生自身の理解もさらに深まる(写真はR aluana P.Schoolでの一コマ)
    「子供の森」計画では、研修生たちが地域の学校を回って、環境劇を披露し、森の大切さを訴えている。人に教え、説明することによって、研修生自身の理解もさらに深まる(写真はR aluana P.Schoolでの一コマ)

    2008年11月、パプアニューギニア(以下PNG)のラバウル・エコテック研修センター(以下センター)から、101名の青年が巣立っていきました。センターでは同月27日に研修修了式が行われ、PNG全20州のうち18 州から集まった74名の長期コースの研修生が修了証を手にしました。同日、「グラデュエーツ」としてセンターに残り、1年間スタッフ助手の仕事をしてきた 27名も、センターでの生活に区切りをつけ、それぞれ故郷に帰りました。今後彼らは、出身地などを中心に有機農業の普及などに勤しむ予定です。首都ポートモレスビーから修了式に駆けつけたレビナン・サムソン・ロワ労働省青年訓練担当長は挨拶の中で、オイスカの人間教育の高さに触れられ、また農業畜産省のブラウン・コナベ食糧自給担当長には、「オイスカはPNG国内の稲作普及に大変貢献している」との賛辞をいただきました。

    同センターで実施されている研修には、年に数回行われる数週間の短期コースと約1年間の長期コースがありますが、去る2月2日には09年の長期コースがスタートしました。今回の長期コースには、一般応募(自費研修生)約30名に加え、労働省が全国から選抜した農村青年(25名)、および州政府や、金鉱山会社や木材会社など現地企業が選抜した農村青年(45名)が参加しています。研修生の 3分の2が公的機関や企業からの派遣者であることは、センターの活動がPNGで高く評価されている証左といえるでしょう。研修生たちは、稲作、蔬菜、果樹・樹木、畜産の4グループに分かれ、ローテーションに従って教室や圃場での授業、実践を経て4つの分野について学んでいきます。また研修生らは、淡水魚や野生動物(ワニ、蝶、ツリーカンガルー、ヒクイドリ、冠鳩、ワラビー、ウサギ、鷹など)の世話を行います。センターでは、動物や植物と共に生活することにより、それらの生態を理解し、地球・動物・植物に対し人として貢献できることを探ることも勉強のひとつと位置づけています。

    このほかセンターでは、昨年に引き続き、地元東ニューブリテン州政府と協力し、各村落推薦の約100名の「短期農民研修」や農業畜産省と共に行う「稲作普及活動」を実施。ウェワク、マダン、ブーゲンビル、西ブリテン、ニューアイルランド、ウェスタンの各州からモデル農場や研修センター設置などの依頼、農業とリンクしている食の改善や健康管理などの農村女性教育への期待も寄せられています。さらに、小学校、高校、大学、役所や刑務所、NGO、村代表など、さまざまな人たちの見学や研修の受け入れ、オイスカが行っている有機農業や環境保全活動、その基となるべき考え方の普及など、09年も多様な活動に取り組む予定であり、「現在、コスモ石油㈱の協力で図書室や農場などの施設の充実を図っていますが、スタッフや研修生のレベル向上を重点目標にし、多くの期待に応えていきたい」と、沢井勝之所長は語っています。

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