3月31日より日本―パプアニューギニア間の直行便(パプアニューギニア航空)が、週1便から週2便へと増便になったことを記念して、NPO法人日本パプアニューギニア協会(山下勝男会長・元駐パプアニューギニア日本大使)が、この日から4月3日にかけて、同国を訪問するツアーを実施しました。ツアーには、両国友好議員連盟会長(兼オイスカ国会議員連盟会長)である村田吉隆衆議院議員をはじめ、有識者やビジネスマンなど総勢56名が参加し、同国各地を訪れて友好親善を図りました。また、団長を務めた唐沢敬同協会副会長(東京国際大学特命教授)はじめ、立命館大学、大阪産業大学、中京大学などの研究者を含む18名が東ニューブリテン州のラバウルを訪れました。 18名は、山本バンカー(海軍指令部が置かれていた地下壕。山本五十六大将が最後の夜を過ごしたことから、地元ではYamamoto Bunkerと呼ばれている)など第2次世界大戦の戦跡訪問に加え、オイスカのラバウル・エコテック研修センターの農場視察を行いました。夜は、同センターのスタッフ・研修生らが一堂に集まり、歓迎会を開催。メインイベントとして、研修生によるシンシンが披露されました。シンシンは、顔にペイントをし、草などを身にまとう同国の伝統的な踊りで、部族ごとに踊りのスタイルが違います。当日は、地元トーライ族のものをはじめ、8つのタイプのシンシンが披露されました。こんなに多くのシンシンが見られたのは、同国全土から集まった研修生が踊り手役をかって出てくれたためですが、オイスカの研修が全国的に評価を得ていることの証しともいえます。
また、各地から集まった研修生の踊りを見るだけでなく、研修の模様について直接話を聞くなど、ツアー参加者にとってはオイスカの活動の広がりを肌で感じる機会となりました。例えば今年の同センターの長期・短期研修生計約480名のうち400名は中央政府や地方政府から稲作をはじめとした農業を学ぶために派遣された委託研修生が占めており、国や地域の期待の高さが伺えます。また、一行がバスで移動した道沿いには田園風景が散見されるようになりました。以前ここを訪れたことがある参加者も多くいましたが、数年前には見られなかった光景なだけに、同センターの活動が実を結びつつあることをあらためて感じたようです。
歓迎会では、唐沢団長が、同国への直行便が増えたことを機に協会として、今後日本青年を派遣するツアーを実施する旨を宣言。研修センターを舞台に両国青年の親善交流が活発化する期待が膨らみました。また団長は、オイスカが現地において確実に成果を上げていることを高く評価。こうした活動が広く日本の方々にも知ってもらえるよう努めるべきであるとの助言をいただきました。オイスカとしても、今回のツアーに参加した有識者の方々の協力を仰ぎながら、現場の活動を対象にした研究を行い、活動の改善を図り、さらには研究をベースにした国内外への活動の発信にもつなげていきたいと考えています。