2019年5月30日

スリランカ地域の課題解決を「子供の森」で実現新スタッフの活躍にも期待!

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  • 校舎脇や校庭の周りに植えられた木々は大きく育ち、子どもたちの勉強や遊びの場としてよい環境をつくり出している
    (バドゥッラ県、ウリッティヤ学校)

    スリランカでは「子供の森」計画(以下、CFP)を中心に、学校や地域のニーズに合わせた環境保全活動を各地で進めています。しかし、植林は成果が出るまで時間がかかり、地域住民の理解を得ることも簡単ではありません。1992年の開始以降、349校が参加し、植林などを行ってきましたが、支援期間(基本的に5年間)の終了後に、スタッフやコーディネーターによるフォローが難しい地域では、適切な管理がなされず、健全な森となっていないケースも見受けられます。一方で、学校が自主的に管理を続けたことで、豊かな森が形成され、学校林として子どもたちの勉強や休憩の場所として活用されたり、 防風林や象の侵入を防ぐ境界として機能している植林地も多く見られます。

     

    近年は木を植えるだけではなく、家庭菜園の普及など、住民自らが学び、実践できるようなプログラムも試行錯誤をしながら展開。 特に多くの地域でニーズが高いのがゴミ問題への取り組みです。スリランカでは、経済発展や人口増加、観光客の増加などにより、ゴミの量が急増している一方で、適切なゴミ処理が追いつかず、環境面や衛生面での問題が山積みとなっています。 校内にゴミを持ち込ませず、 持ち帰らせる学校も増えていますが、 根本的な問題の解決にはつながっていません。そこでCFPでは、地域の祭りなど、大きな行事の際には、住民を巻き込んで清掃や意識向上のためのセミナーを行うなど、ゴミの削減や適切な処理のための啓発活動にも力を入れています。

    研修センターではクルネーガラ県を中心とする地域から集まった青年たちが農業を学ぶ

     

    こうした取り組みの拠点となっているのが2017年1月より研修生を受け入れているクルネーガラ県にある研修センターです。数年ぶりに日本へ派遣した農業研修生2名が今春帰国し、センターでの業務に携わることとなりました。新たな視点と熱い思いを持った新スタッフの加入により、研修カリキュラムや農場デザインの見直しといったセンターの運営面をはじめ、オイスカ活動全般の改善と発展に大きな期待が寄せられています。

     


    スリランカでは4月21日に、多くの犠牲者を出す連続爆破テロが発生。10年前に内戦が終結して以降、治安も安定していた中での惨劇となりました。 幸いオイスカ関係者に被害はありませんでしたが、非常事態宣言が全国に発令され、学校が休校となるなど緊張と不安の日々が続きました。
    犠牲となった方々のご冥福をお祈りします。

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