1月27日、ミャンマー政府とオイスカ・インターナショナルとの協約が更新されました。ミャンマー政府の主務官庁は国家計画経済開発省ですが、オイスカは農業灌漑省をはじめ、活動内容に応じて他の関係省庁と連携して活動を展開することが協約書によって容認されています。 例えば、長野県支部関係者が中心になって10年以上前から乾燥地帯で継続実施している植林は林業省と、木曾塗りの本場である楢川村(現・塩尻市楢川町)との交流は中小企業庁と、それぞれ連携しています。ミャンマーの漆塗りの歴史は日本よりも古いという説もあり、高い技術を誇っています。
ミャンマー政府との間に最初に協約書が締結されたのは1996年です。これに基づき、農業灌漑省の管轄下にあるミャンマー農業公社(MAS)と連携して、中部地帯のパコック県エサジョ郡パカンジ村にオイスカ・ミャンマー農林業研修センターが設立されました。同センターの研修生はMASのネットワークを通して、ミャンマー全土から募集しており、すでに二百数十名の研修生が巣立ってミャンマー各地で活躍しており、日本での研修にも派遣されています。また、ミャンマー政府もオイスカに公務員研修の一部を委託しています。今回、更新された協約書にはラオスやカンボジアなど近隣諸国からの研修生を同センターで受け入れることも明記されており、同センターは、いまや東南アジアを代表する「人づくりセンター」の一つとして認知されようとしています。
2年前、ミャンマー南部のデルタ地帯が強烈なサイクロンに襲われました。多くの人命が奪われ、肥沃な穀倉地が海水による塩害を受けたことから、ミャンマーでは、マングローブの重要性があらためて政府と国民に認識されました。マングローブ植林に豊富な経験と実績を持っているオイスカはこの点でもミャンマー政府に高く評価されており、更新された協約書には、企業や他のNGOや住民と連携してデルタ地帯でマングローブ植林を行うことも明記されました。
今回の協約の有効期限は2015年1月までの5年間です。これは同政府とNGO間での協約としては特段に長く、5年後に両者の合意によりさらに5年間延長されることも明記されました。