タイでは2011年7月から数ヵ月洪水被害が続き、オイスカ・タイは被災地域の支援活動のため、同年10月から募金活動を始めました。オイスカ・タイとご縁のある方々をはじめ日本からたくさんの温かい気持ちが届けられ、募金総額は102万1030円になりました。東日本大震災後にタイから送られた募金へのお礼と、被害を気遣うメッセージが数多く添えられ、草の根レベルでの活動の積み重ねがこうした心の交流を生み、緊急時に国を超えて助け合う絆を育んでいることに改めて気付かせてくれるものとなりました。
現在、タイ全域で水は完全に引きました。オイスカ・タイでは洪水発生後すぐからスタッフが被災地域を訪問して情報収集に当たるとともに、 可能な場所から植林活動を始めました。本年1月末までに「子供の森」計画に参加している2校で70本の植林を実施しました。植えたのは水に強いタマリンドで、通常よりも大きく成長させた苗木を使うなど、洪水後の厳しい環境にも耐えられるような工夫をしています。
しかし、調査の結果、今回大きな被害を受けたアユタヤ県やチャイナート県は今後も被害を受ける可能性の非常に高い地域であること、また、国の防災政策上、民間レベルで洪水に負けない緑化プログラムを実施しにくい場所であることが分かりました。同地域での植林も必要ですが、より根本的な問題解決のためには北部山岳地帯での緑化が重要です。今後は、植林に適している雨期の到来を待って引き続き被災地域での緑化活動を行うと同時に、水源涵養林としての役割を担う北部山岳地帯での植林に一層力を入れていく予定です。