3月15〜17日、オイスカ・インドネシア総局主催による「持続可能な開発のためのユースフォーラム」が東ジャカルタのタマン・ミニ・インドネシア・インダーで開催されました。同国は1万数千を超える島からなり、東西に約5千㎞と各島間の移動には労力を要することから、これまで開催してきた同様のセミナーやフォーラムは、オイスカの研修センターなど、活動拠点がある島内で参加者を募るものがほとんどでした。今回は、オイスカのカウンターパートである内務省のほか、青年スポーツ省、労働移住省、経済担当調整省などの後援と政府からの資金援助を受けたこともあり、インドネシア全土から大学生を中心とした若者224名が参加するフォーラムとなりました。
フォーラム開催の背景には、インドネシアが抱える大きな問題の一つである若者の就職難があり、プログラムには、この問題について若者が自ら考え、行動できるよう働きかける内容が盛り込まれました。講師を務めた青年スポーツ省・開発局長のポニジャン・プスポディハルジョ氏は、社会参画を通じて若者が国の経済や産業を支える役割を担うことの重要性を訴え、若者たちに自覚を促しました。オイスカは、農業に対する関心を高め、農村で働く若者を増やすことが問題解決につながると考え、養鶏やメロン栽培、マングローブ植林地におけるカニの養殖で成功した研修生OBら3名が体験談を披露しました。
政府を巻き込んだ全国規模のフォーラムが成功裏に開催できた要因の一つに、オイスカ・インドネシア総局の新会長、フェリ・ユリアントノ氏の活躍が挙げられます。昨年10月、長年会長を務めたウィヨゴ・ アトモダルミント氏が急逝し、活動の停滞が懸念されていましたが、インドネシア農業評議会の会長職にあるユリアントノ氏が全国に持つネットワークを活用してフォーラム開催に尽力したことで、同総局に新たな活動の広がりが生まれ、さらなる活動の発展が期待できます。
また、フォーラム開催に先駆け、同10日にはジャカルタ市の中心部で環境保全を訴えるキャンペーンが行われ、1200本の果樹の苗が配布されました。これは2007年より同市がスタートした「カーフリーデー」に合わせて実施されたものです。毎週日曜日には市の中心部で
車の乗り入れが規制され、散歩やジョギングを楽しむ市民の姿が見られます。この日、オイスカスタッフから苗木を受け取った市民からは「環境の大切さを広く知らせるためのイベントはもっと開催されるべき」「環境保全のためにまずは一人ひとりが認識を高める必要がある」といった賛同の声が聞かれました。