1月11日、インドネシア西ジャワ州にあるグデ・パングランゴ国立公園で、植樹セレモニーが行われました。これは、オイスカと三菱商事㈱が実施する「里山再生プロジェクト」のオープニング記念セレモニーで、1400名を超える多くの人々が参加しました。
同プロジェクトでは、グデ・パングランゴ山の中腹に位置するスカマジュ村で40、国立公園内で10、合わせて50にわたって森づくり活動が行われます。国立公園の植林地のうち1haは、横浜国立大学の宮脇昭名誉教授が考案した「宮脇方式」で植林されます。セレモニー当日、宮脇名誉教授自身から、現地固有の植物を密植・混植方式で植林することにより、失われた森林を自然林に近い生態系によみがえらせることを目指す植樹方式や樹種の説明がなされ、参加者は真剣に耳を傾けていました。
また、スカブミ県にあるインドネシア・OB会研修センターでは、1〜4月の間で近隣の農村女性50名を対象とした調理研修が実施されています。
この研修は、オイスカが味の素㈱の「味の素『食と健康』国際協力支援プログラム」から助成を受けて、2011年4月より同県スカムルヤ村で実施している「農村女性のエンパワーメントを通した食生活改善と地場産業の育成プロジェクト」の一環として行われており、研修センターに集まった女性たちは和気あいあいとした雰囲気の中、熱心に菓子作りなどを学んでいます。このプロジェクトによる支援で各家庭での野菜栽培に取り組む女性たちは、グループ農園を自発的に開始し、自立への道を歩み始めました。
収穫物の販売益は預金し、プロジェクトが終わった後もグループ農園を続けるための資金にしたいと、意欲に燃えています。
さらに中部ジャワ州ダマック県ベドノ村では、11年12月17〜18日に地域の子どもたち180名を対象としたエコキャンプが開催されました。ベドノ村においては、04年から東京海上日動火災保険㈱の支援を受けてマングローブ植林活動を開始。06年からはコニカミノルタ労働組合より支援を受けて地域開発プロジェクトを実施してきました。これらの活動を通じてオイスカと地域住民、学校、現地政府との信頼関係は強固なものとなり、今回のエコキャンプの開催につながりました。集まった子どもたちは、初めての経験に大喜びで目を輝かせながらプログラムに参加していました。なお、このベドノ村の地域住民で構成される「オイスカ・マングローブ植林グループ」は、10年12月に中部ジャワ州政府より環境保全の分野で表彰を受けました。
これら3地域における企業との協働による活動は、それぞれの場所で〝ふるさとづくり〞を実践し経験を積み重ねたOBらが、その経験を共有し助け合うことで、より充実した活動となっています。地域社会に及ぼす影響も年々大きくなっており、これまで、オイスカが粘り強く継続してきた活動の成果がインドネシアの地で着実に表れてきています。