インドネシアのスカブミ研修センターでは、正規研修(9ヵ月)に加え、短期研修生の受け入れを積極的に進めており、2017年度にはその数が578名となりました。
うち7割以上を占めたのが、主に企業や教育機関、自治体などから委託される数日から数週間といった1ヵ月未満の研修の参加者です。退職後の社員の活動支援を目的としたものや、政府主導の農民支援プログラムで指導補佐を担当する国軍下士官向けの有機農業研修など、ニーズもさまざま。こうした各方面からのニーズに応えられるようになった背景には、08年に女性研修生寮、11年には首都圏支部の支援を受けて男女研修生寮を新たに建設したことが挙げられます。
また、2月にはソマリア人の青年がセンターに入所し、6月まで農業研修に参加しました。アブドゥラヒ・リバン・ハシは、父親と共に数年間、インドネシアに滞在していましたが、帰国して農業に従事することを決め、センターの門を叩きました。中垣豊駐在代表は、「アフリカからの受け入れは初めてだったが、多くのインドネシア人と同じイスラム教徒であるのに加え、素直でまじめな性格なため、スタッフや研修生に受け入れられていた」と話し、長年の内戦で疲弊した祖国の復興に役立つ人材になってもらいたいと、帰国後の活躍に期待を寄せています。