「富士山の森づくり」推進協議会では、メンバーである企業・団体や関係者を対象に、活動がより充実したものとなるよう、毎年勉強会を開催しています。現在、協議会ではこれまで行ってきた育林作業に加え、富士山の恵みを感じることができる新たな体験プログラムの検討をしており、9月4日に開催された今年度の勉強会では、「植物の力を活かす〜メディカルハーブとしての活用〜」をテーマに、活動地に生育する植物の力に着目して、学びを深めました。
薬学博士で植物療法の普及に取り組んでいる㈱トトラボの村上志緒代表を講師に迎え、活動地にある木や植物の特徴についてお話をしていただきました。参加した約20名は、講師と共に森に入り、実際に木の幹や葉に触れたり、匂いを嗅いだりした後、植物を生活に取り入れる方法の一部を体験しました。
活動地がもともとシラベの人工林であったことから、今回はシラベの葉を活用した①エアフレッシュナー(スプレー)づくり、 ②バーム(軟膏)づくり、 ③アロマスチームを体験しました。
参加者は、講師の指導でシラベの葉をはさみで細かく刻むなどの成分抽出の工程を行い、枝葉から出る甘い香りに驚いていました。また、「森のために活動してあげるという考えが頭のどこかにあったが、森からの恵みを身をもって体験し、知ることで、実は森づくり活動は人から森への恩返しで、相互に助け合う活動だと感じることができた」といった感想も寄せられました。
今回は初の試みとなり、今後、実際の活動プログラムとして発展させていくにはまだ課題もありますが、新たな可能性が確認できた勉強会となりました。森林整備だけでなく、引き続き森林の持つ機能や力に目を向けながら活用を進め、共存を目指した森づくりを行っていきます。