「森づくり」というと植林というイメージが強いようですが、木は植えただけでは生長しません。子育てと同じように、生長するまでにはさまざまな手助けが必要です。その中の一つに、周りの草から植えた木を守り、健全な成長を促すための「下草刈り作業」があり、一般的には、植林した後、数年間は下草刈りが必要となります。富士山の植林地は高地であるため、他の植林地に比べると下草が少ないと言われています。しかしそれでも、夏になると場所によっては背丈ほどの下草に覆われるため、夏季に地元の森林組合に委託して下草刈りを実施しています。3年目を迎えた今年は、植林参加企業の中から3社の担当者と社員が参加して、7月と8月に体験活動を実施しました。
今年実施した「つぼ刈り」は、苗の成長を阻害する周辺の草だけを刈る方法で、根回りをすっきりさせることで植栽木の生長を促すだけでなく、周辺以外の草を残すことでシカの食害を抑制する効果も期待できます。夏の暑さの中、ボランティア参加者が汗を流して取り組んだ下草刈り作業は、富士山に失われた森を取り戻す大きな力となります。