1991年にフィリピンの17校でスタートした「子供の森」計画(以下、CFP)が今年で25周年を迎えました。各国の研修生OBたちを中心に活動に取り組み、現在は36の国と地域の4834校に活動が広がっています。
8月17日、25周年を記念する式典がフィリピン・マニラ市にあるフィリピン国際会議場で開催され、日本からはオイスカ・インターナショナルの中野良子総裁をはじめ日本の支援者64名が訪比、インドネシア、パプアニューギニアなどから参加したCFP関係者とあわせて約160名が、今日までの活動を振り返り、その意義を再確認しました。当日は上院で環境天然資源委員会の委員長を務めるシンシア・ビリヤール議員が列席、「CFPがフィリピン全土、世界中に広がり、次世代を担う子どもたちへの環境教育が推進されることを期待する」とあいさつしたほか、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の指名を受けた環境天然資源省のイサベロ・モンテホ事務次官が祝辞を述べました。また、式典に先立ち16日に行われ
たレセプションではレニー・ロブレド副大統領が、「CFPは我が国の環境保全に大きく寄与するものであり、25年の長きにわたり尽力してきたオイスカに深く感謝する」と謝意を表しました。日本からの参加者を代表して両式典であいさつをした中谷真一衆議院議員は、オイスカの活動によって日本とフィリピンに友好と協力の関係が広がっていることを強調、「子供の森」計画のさらなる発展への期待の言葉を述べました。
式典にあわせてツアーを派遣した山梨県支部、佐賀県推進協議会などの会員らはそれぞれ西ネグロス州やアブラ州を訪れ、CFP参加校で交流や植林活動を行いました。特にアブラ州では、オイスカの農林業研修センターも
25周年を迎えることから、中野総裁も訪問し、20日にはCFPとあわせて盛大な祝賀式典が催されました。同センターのデルフィン・テソロ所長がセンターの立ち上げから現在に至るまでの貢献者で、鬼籍に入られた方々の名前を一人ひとり涙ながらに紹介する姿に、日本からの参加者も四半世紀の活動の積み重ねに思いを致している様子がうかがえました。同センターは、人材育成のほかCFPの推進にも力を入れ、隣接する州へも積極的に活動の輪を広げています。
18日にはマングローブ植林を進めている南イロコス州のカブガオ町にオイスカの新たな支局が誕生。会長に就任したコバンバン氏は「町からの支援を当てにしてばかりいた住民たちが、植林を通じて地域のために自分が何をするべきかを考えるようになった。こうした変化をもたらすオイスカの活動には大きな意義がある」と語り、自ら先頭に立ち取り組んでいくことを誓いました。
25 年を経て苗木が森へと育ち、子どもたちもまた大人へと成長しています。自然を愛し、ふるさとを愛する心を持ったかつての子どもたちが、自ら育てた森を活用しCFPの新たなステージを切り拓く役割を担ってくれることが期待されます。