2010年6月25日~7月4日にインドネシアのオイスカ・スカブミ研修センターにて、カンボジア、マレーシア、フィリピン、タイ、東ティモールの「子供の森」計画のコーディネーターの代表者が参加して研修会を開催しました。
「子供の森」計画のコーディネーターとは、子どもたちの植樹活動を指導したり、子どもたちへ環境教育を行ったり、また学校や政府機関等と活動の連携を取ったりと、オイスカの「子供の森」計画を進めていく上で、非常に重要な人材で、主に日本や海外にあるオイスカの研修センターで農業研修等を終えて育った青年たちが中心となって、それぞれのふるさとで活動をしています。
「子供の森」計画は1991年のスタート以降、その活動は世界中に広がり、26の国と地域で4,116校(2010年3月末累計)の学校が参加しています。
今回の研修会は、このような長年の現地の活動実績やノウハウを実施国同士で共有すること、広範囲となった地域や活動に対応できるコーディネーターを育成していくこと、そして各国間のネットワーク強化を図りコーディネーターのスキルアップへ繋げていくことを主な目的としています。06年にタイで実施し、今年は5回目の開催となりました。
研修会では、地域の子どもたち約330名を集めた環境キャンプへの実施、ネイチャーゲームの実習、地域の学校教員とともに行う環境教育ワークショップへの参加、「子供の森」計画実施小学校への訪問・活動内容の見学、そして各国間の情報交換やディスカッションなどを行いました。また本年は国連の定めた「国際生物多様性年」であることから、生物多様性の視点も含めた各国の取組内容の再評価や議論、そして来年迎えることになる「子供の森」計画20周年に向けたビジョンの共有なども行いました。
今回、研修の開催地となったインドネシアの「子供の森」計画は、06年や07年の同研修会で育ったコーディネーターたちが中心となり、研修で学んだことを地域の活動につなげ発展させてきました。研修会ではその成果を別の国や若い世代へ共有できる形となり、技術や経験の伝搬や共有そして相互発展ができるよい機会となりました。
また、昨年より「子供の森」計画を開始したカンボジアや開始を検討している東ティモールのコーディネーターにとっては、今後の自国の活動方針や計画を立てるための大きな知識や技術を得ただけでなく、他国の取組や他国のコーディネーターとのネットワークを築くことにより、今後の活動の中での大きな支えを得ることができました。
今回の研修会を終え、各国各地のコーディネーターたちは、「自国の他のコーディネーターたちにもこの情報を共有してさらに充実した活動を展開していきたい」、「インドネシアのように地元政府機関や学校等との連携をもっと強めて活動を広めていきたい」など、様々な具体的な目標を持って帰っていきました。今後もこのような「子供の森」計画実施国同士での情報やノウハウの共有やネットワークの強化より、コーディネーターの育成や各地域での活動の充実、発展が期待されます。